HYBEがカカオと繰り広げていたSMエンターテインメント(以下、SM)買収競争で、SM経営権をカカオに譲ることに決めた。
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HYBEは3月12日、「HYBEはカカオ・カカオエンターテインメントとの競争構図により市場が過熱様相を示していると判断し、これはHYBEの株主価値にも否定的影響を及ぼしかねないという点を総合的に考慮して、意思決定を下した」としたうえで、12日付でSM買収手続きを中断すると明らかにした。
HYBEとカカオはSM経営権買収をめぐって神経戦を繰り広げてきたが、3月10日から交渉テーブルを用意し、今回の紛争に対する意見を調整してきた。
HYBE側は「中長期的観点でのSMの価値と買収後の統合(Post Merger Integration)過程で発生しうる有形無形の費用まで考慮した適正買収価格範囲を設定し、イ・スマン前総括プロデューサーの持分を買収し公開買収を進めた」としたあと、「だが、カカオ・カカオエンターテインメントの追加公開買収で競争構図が深化し、株式市場まで過熱様相を見せる現状況ではSM買収のために提示しなければならない価格が適正範囲を越えたと判断した」と経営権放棄理由を説明した。
HYBEは対抗公開買収を進めながらも、SM買収を推進するのはむしろHYBEの株主価値にも否定的な影響を与えかねないと判断したものと見られる。
過熱した市場も両社に負担となったという見方だ。
先立ってHYBEは先月、SM株式を1株当り12万ウォン(約1万2000円)で公開買収しようとしたが、株価が12万ウォンをはるかに上回ったことで事実上の失敗に。
対するカカオも1株当たり15万ウォン(約1万5000円)で公開買収を始めたが、株価は15万ウォン前後を上下しており、成功の可否が不確実になった。
このような状況の中で最近、HYBEとカカオとの議論が急遽行われるようになり、両社は合意に達することになったというのがHYBEの説明だ。HYBEはSM経営権買収手続きを中断することで合意すると同時に、両社のプラットフォームに関する協業案についても合意したと明らかにした。
カカオ側もやはり、「HYBE、SMエンターテインメントとして相互肯定的影響をやりとりするパートナーとして、K-POPをはじめとするKカルチャーのグローバル地位向上のために多様な協力関係を継続することで意見が一致した」と、HYBEのSM買収手続き中断に対する公式立場を明らかにした。
また「Kカルチャー産業がもう一つの国家競争力になれるよう積極的に努力する」と強調した。
カカオとカカオエンターテインメントは、HYBEの決定で不確実性が解消されただけに、26日までに予定された公開買収を計画通り進め、追加で株を確保し、HYBEとSMとの事業協力を具体化していく予定だ。
SM買収を巡って争っていたHYBEとカカオが劇的合意に達し、3月31日に予定された「第28回SM定期株主総会」で票対決をすることもなくなった。
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