『ウ・ヨンウ』は天才的な頭脳と自閉スペクトラム症を同時に持つ新人弁護士による、大型法律事務所生存記だ。女優パク・ウンビンが主人公のウ・ヨンウ役を演じた。放送直前までヒットを担保できる役者と見なされていなかった彼女だが、複雑なキャラクターを繊細かつ緻密に描き出し、トップスターになった。
爆発的な視聴率上昇の推移にも言及せざるを得ない。 初回放送は0.9%で始まったが第2話から1.8%で2倍高い成績を出し、9話まで一度も前話より低い視聴率を記録したことがない。最終回では自己最高17.5%を記録して有終の美を収め、認知度の低いチャンネルだったENAの存在を世に広めたと評価されている。
この『ウ・ヨンウ』が全チャンネルのドラマ(一日劇·週末劇を除く)視聴率1位を守ったまま2022年が終わりそうだったが、これを越えたドラマが登場した。
『財閥の末息子』だ。史上初の「金曜・土曜・日曜」放映のドラマを標榜した同作は俳優ソン・ジュンギの復帰作としても話題を集めていた。
関心は放送後、さらに増幅した。ユ・·ヒョヌ(ソン・ジュンギ扮)がチン・ドジュン(ソン・ジュンギ扮)に回帰した原因を推理したり、劇中のエピソードが実際の韓国財閥のエピソードと類似・比較していることなど、お茶の間は多彩な視聴ポイントに夢中になった。その結果、最終回の視聴率は異例の26.9%を記録して終わった。
このように視聴者たちから大きな愛を受けた2作品だが、避けられなかった指摘がある。 不必要な恋物語がストーリーの流れを傷つけたということだ。
『ウ・ヨンウ』の場合、主人公ウ・ヨンウとイ・ジュノ(カン·テオ扮)のラブラインが「寂しいですね」という台詞とともに人気を得たが、ふたりの関係が定着すると面白さが半減するという反応が出てきた。
また、『財閥の末息子』ではチン・ドジュンとソ・ミニョン(シン・ヒョンビン扮)のロマンスが、シン・ヒョンビンの演技力論議に広がるほど説得力の面で酷評された。
また、今年1年間の韓国ドラマ業界を振り返ると、世界で評価されたグローバルラブコールも欠かせない。昨年に全世界を揺るがした『イカゲーム』は、今年9月、第74回エミー賞で6冠を達成した。韓国ドラマ初であることはもちろん、非英語圏ドラマでも初めて監督賞と主演賞スに輝く快挙を成し遂げた。主演のイ・ジョンジェはデビュー29年目にしてハリウッド進出することにもになった。
また、『イカゲーム』と同年に放送されたドラマ『恋慕』も11月、第50回国際エミー賞授賞式テレノベラ部門で受賞した。韓国のテレビドラマが国際エミー賞を受賞したのは初めてであるだけでなく、時代劇が海外で認められたという面でさらに有意義だった。