『百人力執事』放送を終えた感想をお願いします。
私にとってとても意味のある20代の最後の作品がこのように終わりました。多くの方々が『百人力執事』を見ながら一緒に応援して下さり、泣いて、笑って下さって私にはとても意味深く幸せな時間でした。
『百人力執事』がベールを脱ぎ、「ヘリが今まで見せてきたキャラクターたちと違う」という評価が多かったが、ペク・ドンジュというキャラクターを演じながら 一番重点を置いた部分は?
ドンジュが変化する過程をお見せしたかった。
最初にドンジュが能力を知った時は逃げたいという気持ちが大きくて、幽霊たちの願いを仕方なく叶えてあげるという心境だったと思います。
しかし故人たちに会って彼らの事情を知り、自身の能力が故人たちに少しでも力を与えることができ、自分の存在が彼らに役に立つということを悟ることになります。そんなドンジュの変化をお見せしたかったです。
劇中で死者の願いを叶える葬儀指導士として故人に会い様々な事情に触れたが、一番記憶に残るエピソードは?
第4話に登場するソ・ガンの事情だと思います。
ガンに会う前と後を比較した時、ドンジュの亡者に対する態度が変わりました。ドンジュがガンの事情に深く共感することで、亡者たちに心から接する葬儀指導士の姿を見せました。
ドラマ全体を通して一番記憶に残るシーンorヘリが選ぶ名場面はどこですか?
最終回でお父さんと控えで会うシーンが一番記憶に残るシーンではないかと思います。故人たちと会って彼らの話が「いずれ私の話になるかもしれない」と思ったが、それが本当に私の話になった時はまた別の気持ちが生まれました。
台本を初めて見た時から撮影をする時までドンジュとしてとても心が痛かったです。ドンジュの能力に対して心から感謝する瞬間でもあり、そのシーンがたくさん思い浮かびます。
今作では特に涙を流すシーンが多かったと思います。演技をしながら特に感情の消費が多かったと思いますが、どうでしたか?
私たちのドラマの特性上、泣くシーンや深い感情のシーンが多かったです。
私が劇中、ひたすらドンジュになりきっているときはその話に深い共感をしてきたので感情的には難しくなかったと思います。
むしろ私が台本で見た時は現場でのほうがより感情的なり、予想できない悲しみが押し寄せてくる時が大変でした。
例えば、12話のソラのエピソードではドンジュがソラにしてあげられなかったことを話し、ジュノまで思い浮かべながら「テヒにかける言葉がない」と話すシーンがあります。この時、私が思っていたよりもっと心が熱くなって、「ドンジュはこんなに大変なんだ」と感じて心が痛かったです。
また、第13話のソハのエピソードの時は故人ともっと近かったイルソプチーム長もいらっしゃったので、現場で「私が泣いたらチーム長がもっと大変になりそう」と思い、一生懸命我慢した記憶があります。
ドンジュとテヒのロマンスが特に、視聴者から愛されました。相手役のイ・ジュンヨン俳優との呼吸はいかがでしたか?
とても良かったです。
ジュンヨンさんが私より年下なのに大人で、思いやりのある方なのでたくさん助けてもらいました。演技をしているときはずっと、楽しかったです。
何よりジュンヨンと呼ぶ時よりテヒと呼んだ時のほうが似合うと感じられるほど役そのものの姿で、現場に来てくれてとてもありがたかった記憶があります。最初からジュンヨンはテヒだったと思います。
イ・ジュンヨン俳優の他にもイ・ギュハン、ソン・ドクホ、テ・インホ、オ・デファン、パク・スヨンたちまで多様な俳優たちと共にするシーンが多かったですが、現場の雰囲気はどうでしたか?
現場の雰囲気は本当に良かったです。出演者の中で私は若いほうだったのですが、先輩たちが現場の雰囲気を盛り上げてくれました。
以前だったら私が「雰囲気をもっとよくしよう」と思っていたのですが、むしろ先輩たちのほうがムードメーカーとしての役割を果たしてくださって本当に良い雰囲気の中で撮影することができました。
特に劇中、父親として出演したパク・スヨン先輩は、私と初めて撮影をした日にワインをプレゼントしてくれたのですが、ドラマの撮影をしながらこのようなプレゼントをもらったのが初めてだったので、とても感謝して嬉しかったです。
多分その当時、私の誕生日だったので祝ってくださったのだと思いますがこの場を借りて感謝の気持ちを伝えたいです。
また、どうしてもオ・デファン先輩とのシーンが多かったのですが、演技をしながら難しい部分や悩むところをたくさん聞いたんです。ありがたいことに、わかりやすく教えてくださってとても力になりました。
『百人力執事』の前後で変わったことはありますか?
私の個人的なことではありますが、年齢とも関係があるようです。
今が20代を終える時点なので、「私が今後どんな態度で生きなければならないのか」、「どんな態度で仕事をすればよりよく、良い人になれるのか」という悩みがある時期です。
私が感じていた曖昧だった基準に確信を持とうと多くのことを考えています。『百人力執事』が生と死に関するドラマでもあり、ますますそんな気がします。「ドンジュのような能力を持った人が本当に存在してほしい」という願いも生まれました。「どこかにいるのではないか」という願いです。
ヘリにとって『百人力執事』はどんな作品として残ると思いますか?
『百人力執事』は私が多くの過程を試みた作品だと思います。
このドラマを撮影しながら、これまでのドラマを撮影した時とは少し違う様々なことを試してみました。そのなかで、私にとって役に立ったことももちろんあり、私を苦しめる瞬間もありました。その過程のなかで、様々なことを学ばせてくれた作品なので、もっと長く記憶に残ると思います。
『百人力執事』の視聴者の方々に一言。
私は視聴者の方々の反応を熱心に見る方なので、『百人力執事』の視聴者の方々がどれだけたくさん愛してくださってどれほど楽しく見てくださったのかよく知っています。
なので、とても感謝しているとお伝えしたいです。
皆、ドンジュがこれから幸せになることを祈ってくれているようですが、私も同じです。私たちのドラマを見ながら共感し、泣いて、笑ってくださってありがとうございます。
私もドンジュとして幸せな時間でした。 ありがとうございます!
◇ヘリ プロフィール
1994年6月9日生まれ。韓国・京畿道出身。2010年にGirl's Dayのメンバーとしてデビュー。2014年に軍隊体験バラエティ番組『男の中の男』の女軍編に出演し、一躍注目を集めた。その後、大ヒットドラマ『恋のスケッチ ~応答せよ1988~』(2015年作)の主人公に抜擢され、女優業を本格化。映画『ムルゲ 王朝の怪物』(2018年作)、ドラマ『チョンイル電子、ミス・リー』(原題、2019年)、映画『パンソリ・ボクサー』(原題、2019年作)などで主演を務める。2019年にYouTubeチャンネル「私はイ・ヘリ」を開設。