BTS(防弾少年団)のファンクラブ「ARMY」が釜山(プサン)市の遅い対処に憤っている。
釜山市は来る10月15日、釜山・機張(キジャン)郡の旧韓国ガラス釜山工場敷地の特設舞台で「2030釜山世界万博」誘致念願コンサートを開催する。
この公演は世界的なスターBTSが特別出演する無料コンサートで、観客規模は約10万人と推算される。6月にソロ活動の並行を宣言したBTSが4カ月ぶりに、ひとつのステージに立つコンサートでもある。
しかしスーパースターであるBTSを出演させることにしておきながら、交通対策や“ぼったくり宿泊料金”などに対する釜山市の対策が未熟で、議論が巻き起こっている。
すでに釜山市内の宿泊業者の一部は、数十万ウォン(数万円)から数百万ウォン(数十万円)の高い宿泊料をつけている。一部のホテルは既存の予約を一方的に取り消して追加料金を要求するなどの暴挙に出ており、BTSファンからの批判が続いている。
それでもすでに公演前日の10月14日には、公演会場に近いキジャン駅、イルグァン駅周辺の宿泊施設が満室となった状態だ。
交通も問題だ。釜山市は公演当日、都市鉄道と市内バスを増便して運行し、シャトルバスまで投入する。イルグァン駅から会場までの狭い道路の車両通行を全面統制し、観覧客に15分ほど歩いて移動してもらう方針だ。
また、他地域や海外のBTSファンのために、ソウルの金浦空港と釜山の金海空港を行き来する航空機や、釜山市連結のKTX(高速鉄道)などの列車増便運行案も模索している。
新型コロナの感染拡大も問題点として挙げられる。10万人が一度に集まるうえ、同時間に釜山港の国際旅客ターミナル屋外駐車場で1万人規模の画像中継コンサートまで開催する。最近、『江南スタイル』で知られる歌手PSYのコンサートに行き、新型コロナに感染したという事例が増えている状況で、地方自治体が防疫対策のないコンサートの先頭に立っていいのかという指摘も増えている。
それだけにBTSファンの怒りの声が次々と上がっている。ARMYたちは「こんな“どんぶり勘定”式の行政で、どうやって世界的なイベントを誘致するのか」「海外ツアーよりも高い無料コンサートだ」「こんなことで世界万博を誘致できるのか」と苦言を呈した。
釜山市は秋夕(チュソク、旧暦8月15日)前後に、関係機関が全員参加する総合対策会議を開く。また公演直前には、パク・ヒョンジュン釜山市長が主宰する最終点検会議を開く計画だ。
釜山市側は「釜山市のすべての組織がBTSの釜山公演の成功的な開催のためにしがみついている。交通の不便を最小限に抑えるなど、最善を尽くす」と伝えた。
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