俳優チ・ヒョヌは元祖“国民の年下彼氏”で知られる。去る2004年に放送された『オールドミスダイアリー』で女優イェ・ジウォンとカップルを演じ、大きな人気を博した。
それから17年経った2021年、チ・ヒョヌは大先輩である女優コ・ドゥシムと切ないラブコメディで共演することになった。
チ・ヒョヌは韓国で6月30日公開の映画『輝く瞬間』(原題)で、ソウルから来たドキュメンタリープロデューサーで済州島の海女ジンオクと恋に落ちるギョンフンを演じた。
3年ぶりとなる映画復帰作で、チ・ヒョヌはギョンフンがジンオクを好きになる過程や、それによる混乱や確信などの感情表現を繊細に表現した。
チ・ヒョヌは、「シナリオを読んだときの余韻や感情が、映画館でも同じくらい感じることができ、個人的には満足している。コロナの影響で公開できるか不安だったが、無事公開されたことに感謝している」と述べた。
年齢差のあるラブコメディに難しさがなかったか問われたチ・ヒョヌは、「ジンオクを見たとき、恋に落ちることもあるだろうと思った。皆一人ひとりが1人の女性なのに、なぜか母、祖母だと決めつけていた僕自身に問題があるのではないかと思った」とし、「1人の女性と考えれば恋に落ちる理由も十分に理解できるし、心が揺れることだってあるだろうと思った。そんな気持ちで、うまくコミュニケーションをとりながら撮影した作品だ」と語った。
続けて、「コ・ドゥシム先輩が本当に少女のような一面があったので、演技にも気楽に打ち込むことができた。ただ、熟練した演技はやはり別格だった」と撮影当時を振り返った。
今回の作品を通じて、「“国民の年下彼氏”が再び帰ってきたと言えるのではないだろうか」という問いには、チ・ヒョヌは手を振って否定。
「そんな考えをせずに選んだ作品だ。今回はラブロマンスだったので、コ・ドゥシム先輩から色々教わりたかった。いつの間にかデビュー18年目になっていて、現場でも中間の役をやるようになった。今回新たに始まる週末ドラマも新人俳優と一緒に行う。除隊後はソヒョンやチョン・ウンジなど若い子とも共演し、できるだけ気楽に演技をさせてあげたかが、失敗だったと僕は思う。そういう面でも今回、コ・ドゥシム先輩から学ぶことが多い現場だった」と述べた。
さらに、「でも、横で見ていても特別な理由はないようだった。たゆまぬ自己管理と良いものをたくさん見て、最善を尽くすことだと思った。2カ月間先輩を見ていて感じたことは、“大きな方だ。大きい、広い”だった。先輩だからといって“私の若い頃は…”とせず、自分が大変なときも周りの人の話を聞いてくれるような方だ。かっこいい」と付け加えた。
チ・ヒョヌが人生で一番輝いていた瞬間はいつだったのだろうか。
彼は「やはり『オールドミスダイアリー』でチPDを演じ、たくさんの愛をもらったあの頃が輝いていたと思う」とし、「ただ、明日のことは明日にならないとわからないし、楽しむことができるのは今しかない。だから、これからは“今この瞬間がいつも一番輝いている瞬間だ”と思いながら生きている。簡単ではないが、実践しようと努力している」と述べた。
その言葉通り、チ・ヒョヌは演技だけではなく自分の好きな音楽も続けている。彼は毎回の瞬間で自身の人生だけに集中している。ロックバンド「THE Nuts』のギタリストでデビューしたチ・ヒョヌは新バンド「SGO』も結成し、聴く者に癒しを与えている。
彼は「音楽はほかのことで僕を表現できる。俳優のハ・ジョンウ先輩が絵を描くように、僕は音楽が自分自身を表現できるような感じだと思う」と明かした。
最後にチ・ヒョヌは、「心の温度を維持する」という価値観についても語った。
「『錐-明日への光-』撮影当時、女優のイ・ジョンウン先輩を見ながら、未だにあのような感受性を持つことができるのかと思った。感受性を持たなければ表現が固まり、感情を表すことも難しくなるかもしれないと思い、僕自身努力している。これからもそんな俳優であり、そんな人になりたい」
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