俳優ユ・アイン、『音もなく』で新境地開拓。「希望のカケラを感じた」【インタビュー】

俳優ユ・アインが、映画『音もなく』(原題)でもう一つの“代表キャラクター”を誕生させた。

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韓国で10月15日に公開された『音もなく』は、拉致した子供を預けて死んでしまった依頼人によって、いきなり誘拐犯になってしまった2人の男の危うい物語を描く。ユ・アインが演じるのは、一言も喋らない男・テイン役だ。

“セリフ無し”という難役にもかかわらず、ユ・アインは目つきや表情、仕草で強い響きを与える。その新たなチャレンジによって、彼は自らの限界を超えた。

完成した映画を見た感想を聞くと、ユ・アインは熟考した末にこう話す。

「衝撃的、ショッキング、という言葉はあまりにも宣伝っぽいので控えたいのだけど、そう言うしかない。印象的という言葉が離れない。希望のカケラを感じた。僕が後ろに下がって監督を引き立てるのが心地いい作品はこれが初めて。新たな監督の登場だ」

ユ・アインは今回、役作りのために体重を15kgも増量。これまでの素早いイメージとは対照的なその姿は、テインという人物に対する集中力を増した。しかし、ユ・アインは「セリフもないので、何かしなければと思って外見に変化を与えた」と言う。そして「実はもっと劇的な変化が欲しかったが、そうではないようで惜しかった。でも好意的に見ていただければありがたい」と微笑んだ。

「確信が持てる挑戦は、挑戦ではない」

(画像=ACEMAKER MOVIEWORKS)映画『音もなく』スチール写真

率直な発言が魅力であるユ・アインは、インタビュー中にも“淡泊”そのものだった。彼が自分自身を素直に表現できるのは、偏見や固定観念を持っていないためだろう。

最近、新人監督との仕事が増えたのも、それが関係しているはず。有名監督という安全装置に頼らず、自ら挑戦に挑むことについて、ユ・アインはこう語る。

「(成功するという)確信が持てる挑戦というのは、挑戦ではないと思う。もちろん不安や興味深さ、期待感と心配が共存するけど、0.1%でも期待感が大きければそこに惹かれる。今は(以前とは)少し違う余裕が生まれたようだ。もちろん、商業俳優としての責任感をあるが、成功だけが目的な作品に没頭するよりは、余裕がある時に少し実験的になろうとする。力を持てば守りたくなるが、今はその力や影響力を適切に活用したい。どこにでも力を添えることはできないが、そうするだけの価値がある領域では、自分を自由に泳がす状況が続くようだ」

(写真提供=UAA)ユ・アイン

先日、『私は一人で暮らす』に出演してプライベートでの様子を公開したユ・アイン。世間を驚かせたバラエティ出演については、次のように述べた。

「『トキメキ☆成均館スキャンダル』みたいに、誰がやってもカッコいい役割をした時期もあったし、誰かは驚いたはずのバラエティにも出演した。意図してやっているわけではないが、今はただユ・アイン、オム・ホンシク(本名)はこういう人だというのをお見せしたい。『私は一人で暮らす』への出演について心配もあったが、幸いにも可愛く見てくださってありがたい。もちろん自分のすべてを公開したわけではないが、これからも非暴力的な方法で共感の輪を作り、包み隠さず自分を打ち明けたい気持ちがある」

最後にユ・アインは、『音もなく』への出演について「セリフもなく、外見も変え、自らの強迫観念から逃れることが重要だった。新鮮な挑戦だった」と定義した。

そして「職業柄、いつも他人に評価される。それが辛いと感じる時期もあったが、それでも、どう見てくださるか気になるのも事実だ。そういう部分において、社会や大衆、観客たちが作り上げた自分をもっと大事にしたいという気持ちもある。今後も、うまくバランスを取っていきたい」と、願いを込めた。

(写真提供=UAA)ユ・アイン

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