ベテラン俳優であり、元国会議員のイ・スンジェさんが11月25日未明に逝去したと遺族側が明らかにした。享年91歳。
イ・スンジェさんは放送、映画、演劇など幅広い分野で活動してきたが、2024年10月に公演を突然キャンセルし、授賞式にも姿を見せなかった。
これと共に、最近になって同僚俳優たちがイ・スンジェさんの健康状態に言及し、健康悪化説に重みが加わっていた。
俳優パク・クニョンは今年8月、演劇『“ゴドーを待ちながら”を待ちながら』(原題)の懇談会で「イ・スンジェ先生に何度かお会いしようとしたが、遠慮されて会えなかった」と述べ、「ほかの方を通じて話を聞いていたが、良い状況ではなかったようだ」と伝えた。
後輩のチョン・ドンファンは10月、「2025大韓民国大衆文化芸術賞」授賞式で宝冠文化勲章受章の感想を述べる途中、「イ・スンジェ先生のご健康が思わしくないと聞いている。健康が回復されることを切に祈る」と語っていた。
イ・スンジェさんは1934年、咸鏡北道・会寧に生まれ、4歳のとき祖父母に伴われてソウルへ移った。戸籍上では1935年生まれだ。彼はソウル大学哲学科に進学したのち、イギリス俳優ローレンス・オリヴィエが出演した映画『ハムレット』を観て俳優の道を志した。
1956年の演劇『地平線を越え』(原題)でデビューし、1965年にはTBCの第1期専属俳優となった。
イ・スンジェさんが永眠したなか、韓国芸能界やオンライン上で追悼の声が相次いでいる。
俳優ペ・ジョンナムは同日、自身のSNSに「イ・スンジェ先生、謹んでご冥福をお祈りします」とし、「心から尊敬する先生とドラマでご一緒できたことは、私の人生最高の栄光でした。どうか安らかにお休みください、先生…」という文章と共に、イ・スンジェさんの写真を掲載した。
該当の投稿には、あっという間に2000件を超えるコメントが寄せられた。ネットユーザーたちも「先生の時代に共に生きられて幸せであった。謹んでご冥福をお祈りする」「あちらでも安らかでありますように」「安らぎに至られたことを願う」などと故人への弔意が途切れることなく続いた。
俳優ハン・ジイルも自身のSNSに「謹んでご冥福をお祈りする」とし、「大韓民国の映画、放送、演劇の大先輩。KBSドラマ『クムナムの家』『刑事25時』にレギュラー出演していた当時、先輩は放送局のロビーやメイク室で会うといつも『映画をやってからテレビドラマをやる気分はどうだ』と尋ね、『ハン・ソリョン(80年代初めの芸名)と一緒にドラマをすれば演技指導をしてあげられるのに』と言って関心と愛情を注いでくださった、ありがたい大先輩であった」と、生前の思い出を振り返った。
さらに彼は「特に演劇に深い愛情をお持ちだったイ・スンジェ大先輩は、生活演劇の授賞式には必ず出席され、後輩たちを激励してくださり、70~80人規模の会食にも共に参加して、全員分の食事代を自ら支払う場面を直接目にした記憶がある」とし、「とても情に厚く後輩への愛情を惜しまなかった大先輩、イ・スンジェ兄さん、天国で安らかにお休みください」と付け加えた。
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