国民的俳優シン・ソンイルさんがこの世を去ってから、早くも7年が過ぎた。
だが、彼の作品と人生は今もなお、ファンの記憶の中で鮮明に生き続けている。
シン・ソンイルさんは2018年11月4日、肺がんとの闘病の末、享年81歳で亡くなった。前日に危篤の知らせが伝えられた後、ついに息を引き取り、多くの人々に深い悲しみを残した。
彼は2017年に肺がんステージ3の診断を受けた後も、闘病と並行して精力的に活動を続けた。亡くなる1カ月までの第23回釜山国際映画祭の開幕式に出席し、レッドカーペットを踏みながら「最後まで俳優でありたい」という意志を見せた。
生前最後の公式の場でも笑顔を絶やさなかったその姿は、今も多くのファンの心に刻まれている。
同年に放送されたTV朝鮮のドキュメンタリー番組『人生ドキュ マイウェイ』(原題)で、シン・ソンイルさんは肺がん闘病の事実を淡々と明かし、「私は闘病患者ではなく、治療を受けている人だ」と語った。
主治医が「肺に5cm以上の腫瘍がある」と説明したにもかかわらず、彼は「回復の可能性は80%以上だ」と強い意志を見せていた。しかし、番組で元気な姿を見せてからわずか3日後、訃報が伝えられた。
1937年生まれのシン・ソンイルさんは、1960年の映画『ロマンス・パパ』でデビューし、『裸足の青春』『星たちの故郷』『椿娘』『春香』など数多くの青春メロドラマで主演を務め、1960~80年代のスクリーンを代表する存在となった。
1964年には女優オム・エンランと結婚し、“国民夫婦”として愛された。1970年代には映画監督にも転身し、『恋愛教室』『それは君』などの作品を演出した(作品タイトルはいずれも原題)。
1978年には政界入りし、第16代国会議員を務め政治家としての道を歩んだが、その後再び映画界に戻り、俳優としての情熱を燃やし続けた。
2000年代には韓国映画俳優協会の理事長を務め、2013年の映画『情欲のドン・ファン』では若手女優ペ・スルギと共演し、最後まで俳優魂を燃やした。
(記事提供=OSEN)
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