歌手ミョン・グクファンさんがこの世を去って2年が経った。
ミョン・グクファンさんは2023年8月19日にこの世を去った。96歳だった。悲報が伝えられたのは死後から約半月が経過した同年9月2日で、多くの人が哀悼の意を寄せた。
晩年を一人で過ごしたミョン・グクファンさんの葬儀は社団法人大韓歌手協会が主管した。遅れて伝えられた訃報はさることながら、縁者すらいなかった境遇が一層の悲しみを呼んだ。
ミョン・グクファンさんは日本による植民地時代の1927年1月9日、朝鮮半島北部の黄海道(ファンヘド)で生まれた。植民地支配からの解放後、朝鮮戦争に伴い家族で朝鮮半島南部に移り、ミョン・グクファンさんは楽劇団に入団。1956年に『白馬よ、泣くな』で歌手デビューし、以降も『放浪詩人キム・サッカッ』『アリゾナ・カウボーイ』などのヒット曲で愛された。
統治時代の解放後に楽劇団に加わり巡業を始め、1956年に『白馬よ泣くな』でデビュー。その後『放浪詩人キム・サッカ』『アリゾナ・カウボーイ』などのヒット曲で愛された。
朝鮮戦争による南北分断で故郷を失った“失郷民”の痛みを歌う歌手として、ミョン・グクファンさんは韓国で国民的な支持を集めた。戦後の混乱や急速な産業化が進んだ時期に異郷での暮らしを強いられた大衆にとって、彼の歌は大きな慰めとなった。
その功績が評価され、2005年には「歌手の日」功労賞を受賞。2014年には「第5回大韓民国大衆文化芸術賞」で宝冠文化勲章を授与された。
しかし、いかなる人気も名声も健康を守ることはできなかった。
晩年はパーキンソン病に苦しみ、生活苦にも直面した。2022年12月にMBNの時事番組『特ダネ世界』(原題)に出演した際には、家賃23万ウォン(日本円=約2万4500円)の部屋で不自由な体を引きずりながら暮らす姿を公開し、多くの人々に大きな衝撃と哀しみを残した。
(記事提供=OSEN)
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