バラエティ番組でテレビに戻ってきた女優パク・ハンビョルから、ドラマ出演を控えた女優チャン・シニョンまで。
トラブルを起こしたのは彼女たちではないが、夫の代わりに頭を下げ、批判の矢面に立たされている。女優としての堂々たる復帰が、夫の「後始末」のような立場に矮小化され、やるせなさを感じさせている。
4月8日に放送されたTV朝鮮のバラエティ番組『パパと私と』(原題)では、パク・ハンビョルが近況を公開した。
父親と一緒に伝統市場の五日市を訪れ、商人たちと自然にあいさつを交わす姿や、彼女にそっくりな第二子の息子の様子まで明かされた。しかし、明るく見える近況の裏には、番組復帰にあたり痛感した現実の壁への苦悩もあった。
「昨年には復帰を決意していたが、壁が高すぎた。俳優というのは、自分の意志だけでどうにかなるものではなかった。“出演したい”と思っても叶わなかったのがつらかった」と語った。
パク・ハンビョルは2017年にユ・インソク元ユリホールディングス代表と結婚し、2人の息子をもうけた。しかし2019年、ユ元代表が元BIGBANGのV.Iなどと共に「バーニングサン事件」に関与していたという疑惑が浮上し、彼女は同年放送のドラマ『悲しくて、愛』を最後に、5年以上にわたってテレビ活動を中断していた。
その間、パク・ハンビョルはユ元代表の訴訟過程で嘆願書を提出するなど、家庭を守るために奔走した。また、個人でカフェやYouTubeチャンネルも運営していた。
カフェ運営を通じて注目を集めていたものの、特に自分ではなく夫の事件だっただけに、軽々しく行動できる状況ではなかった。そうして6年ぶりに、バラエティ番組『パパと私と』を通じて、演技ではなくバラエティからテレビ復帰を果たした。
このほかにも、最近ではチャン・シニョンが復帰を果たしている。
チャン・シニョンは2024年1月、夫で俳優のカン・ギョンジュンが不倫したとして訴えられ、不倫疑惑の渦中に立たされた。
カン・ギョンジュンは5000万ウォン(約500万円)の損害賠償を受け入れ、訴訟を終えたものの、法的代理人を通じて「事実と異なる部分や説明が必要な点について法的手段を取りたかったが、誤解や非難も自分の至らなさから始まったと考えた」とし、無念な思いをにじませた。
チャン・シニョンもまた、昨年8月に自身のSNSを通じて、「文字にするのもつらいほど苦しい時間を過ごしたが、私たちはただ子どもたちのために、もう一度ひとつの家族として生きていこうとしている」と夫をかばった。
その後、KBS2のバラエティ番組『新商品発売~コンビニレストラン』に出演し、芸能界に復帰。番組内では、誕生日を迎えた今年1月、昨年は夫の騒動の影響で何もできなかったが、親しい友人たちの支えでなんとか乗り越えたと明かした。
さらにチャン・シニョンは、MBCの新しいドラマ『太陽を飲み込んだ女』(原題)で演技の復帰も控えている。
本作では主人公を演じる予定で、2022年に放送されたJTBCドラマ『クリーニングアップ』以来、約3年ぶりの新作となる。バラエティだけでなく、女優としての本格的な活動再開に向けて積極的な動きを見せている。
パク・ハンビョルもチャン・シニョンも、活動の空白期間や休止には、自らの意思というより周囲の騒動の影響が大きかった。
トラブルを起こしたのは彼女たちの夫だが、テレビに出ているのはパク・ハンビョルとチャン・シニョンであるため、彼女たちが代わりに非難の視線を受けている。時には、当事者ではないパク・ハンビョルやチャン・シニョンに向けた非難の声すら上がっている。「夫の疑惑を同情で隠している」「家族のスキャンダルをテレビのネタにした」などと、悪質なコメントが浴びせられているのだ。
同情や応援の声が優勢とはいえ、パク・ハンビョルやチャン・シニョンの復帰を素直に歓迎しない世論も少なくない。夫が起こした問題を妻が後始末しているような構図に対して、拒否感が強まっている。
いつまで「スケープゴート」の役割を女性たちが担わなければならないのかという反発が渦巻く状況だ。これは、単に2人の女優個人に対する評価を超えて、彼女たちが置かれた現実そのものへの異議へとつながっている。
そうした厳しい環境を振り切って、パク・ハンビョルとチャン・シニョンはテレビ復帰を宣言し、活動を再開した。トラブルを起こした当事者たちは姿を見せず、沈黙を守っているなかで、世間の前に立ってすべての批判を受け止めているのは彼女たちだ。
何事も隠れることは簡単だが、出ることは難しい。だからこそ、非難の矛先も安易に、問題を起こした本人ではなく配偶者に向けられてしまうのが現実だ。
もちろん、彼女たちは結婚前から十数年にわたって芸能界で活動し、私生活で注目されてバラエティ番組に出演している以上、一定の「さらされるリスク」は受け入れなければならない部分もある。
だがそれでもなお、「ただのスケープゴート」となってしまった2人の現実は、あまりに苦々しく、切ない。
(記事提供=OSEN)
◇チャン・シニョン プロフィール
1984年1月17日生まれ。2001年の第71回全国春香(チュニャン)選抜大会で入賞し、芸能界デビュー。2001年の『我が家』でドラマデビューし、以降、『日が昇る家』『輪廻‐NEXT』『広開土太王』『太陽の花嫁』『私の人生の春の日』『私の心きらきら』『バベル~愛と復讐の螺旋~』などに出演した。プライベートでは2006年に事業家と結婚し、2007年4月に息子を出産するも2009年に離婚。2013年のドラマ『いばらの花』で共演した俳優カン・ギョンジュンと2018年5月に再婚した。2019年9月には次男を出産している。
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