韓国の芸能事務所ADORが、NewJeans(NJZ)のハニが主張した「無視しろ」事件に反論した。
3月7日、韓国・ソウル瑞草洞(ソチョドン)のソウル中央地裁では、ADORがNewJeans(NJZ)のメンバー5人に提起した「企画会社の地位保全及び広告契約締結など禁止の仮処分申請」の最初の審問期日が行われた。
この日はNewJeansメンバーのミンジ、ハニ、ダニエル、ヘリン、ヘインが全員出席。ADOR側は「専属契約を解除する理由はない」と主張・反論を伝えた。
特に、ADOR側はハニが主張した「無視しろ」事件に映像を公開して反論した。
「無視しろ」事件は、NewJeans側がHYBE傘下レーベルBELIFT LAB所属ガールズグループILLITのマネージャーの挨拶問題を指摘したもの。NewJeans側(債務者側)は「2024年5月27日、ILLITのマネージャーがHYBE社屋にあるアーティスト専用スペースで、ILLITのメンバーに対し、ハニに挨拶をせず“無視しろ”と言った。また、HYBEがCCTV(防犯カメラ)の映像を削除し、一部のILLITメンバーが言葉や行動でNewJeansを嘲笑した」と主張していた。
これに対し、ADOR側はILLITとNewJeansのメンバーが遭遇した当日のCCTV映像を提示。その映像には、ILLITのメンバーがNewJeansのハニとダニエルに90度の礼をして通り過ぎる様子が映されていた。
また、「“無視しろ”という発言はハニではなく、ミン・ヒジン前代表の口から最初に出たものだ」とし、NewJeans側が提出したミン・ヒジン氏とハニのカカオトークのやり取りを証拠として提示した。
カカオトークの会話によると、ハニは「4人の方がスタイリングルームから出てきたとき、あちら(ILLIT)のマネージャーが“ただ知らないふりして通り過ぎろ”と言ったのを聞いた」としつつも、「正確にその単語だったかは覚えておらず、大体そんな感じでした」とミン・ヒジン氏に説明している。
これに対し、ミン前代表は「無視しろ、ってこと?」「みんなが君を無視したの?」「ILLITのメンバー全員が君を無視した?」「君の挨拶を受けるなどマネージャーがさせたの?」と何度も質問したが、ハニは「よくわかりません」と答えた。
このやり取りを受け、ADOR側の弁護士は「ハニ本人も大きく問題にすることではないと話していたことを、ミン前代表が“無視しろ”という表現して事件を拡大した。この問題が専属契約解除の理由として使われたのは、虚偽の名分作りにすぎない」と指摘した。
また、「ADORの親会社であるHYBEは、ミン前代表が企画・制作したNewJeansの成功に対する劣等感や嫉妬心を持ち、NewJeansを意図的に差別・排斥・攻撃した」というNewJeans側の主張に、ADOR側は「HYBEは(SOURCE MUSICから)ADORの株式100%を50億ウォン(日本円=約5億1000万円)で買収し、NewJeansの教育、トレーニング費用をすべて負担し、2度にわたる有償増資代金160億ウォン(約16億3250万円)を加えた合計210億ウォン(約21億4265万円)をADORに投資した。これは一つのグループへの投資としては前例のないことだ」と反論した。
同日の公判に出席したADORのキム・ジュヨン代表は、「会社が今回の仮処分を申請したのは、ただNewJeansのメンバーたちとともにしたいという理由だけだ」と訴えた。
一方、ミンジ、ハニ、ダニエル、ヘリン、ヘインの弁護側は、「ADORはメンバーを保護し、成長させる意思も能力もないことを自ら認め、むしろ芸能活動の基盤や成果を破壊した。一抹の反省もなく、むしろ奴隷のように縛り付け、苦しめようと意図している。メンバーの解除通知は正当かつ適法であり、通知直後に効力が発生した。専属契約が解除されたので、この事件の仮処分は棄却されて当然だ」と主張した。
公判の終盤にはメンバーのダニエルが手を挙げ、「私が信頼していたマネージャー、代表、スタイリストは皆ADORにいない。私たちがそこに戻ったとして、誰の保護を受けられるのかよくわからない。私は21歳だが、残りの5年でまた同じ経験をしたくない。どのような結果が出たとしても、私はADORとともにしたい気持ちが絶対にないと強調したかった」と涙を流しながら訴えていた。
(記事提供=OSEN)
◇NewJeans(NJZ)プロフィール
2022年7月22日にミュージックビデオを公開し、「NewJeans」として電撃デビューした5人組ガールズグループ。2004年生まれのミンジとハニ、2005年生まれのダニエル、2006年生まれのヘリン、2008年生まれのヘインで構成された。デビューアルバム『New Jeans』の発売と同時にライジングアーティストとして急浮上。デビュー曲『Attention』と『Hype Boy』が韓国Melonの「TOP 100」チャートで1、2位を記録した初のガールズグループとなった。またK-POPグループで初めてデビュー曲(『Attention』)がSpotifyの「ウィークリートップソング・アメリカ」にチャートイン。所属事務所ADORとの紛争のなか、2025年2月7日にグループ名を「NJZ」に変更すると発表した。
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