俳優ユ・アインが麻薬投与の罪での裁判を経て、執行猶予付きの判決を受けた。
ソウル高等裁判所・刑事5部は2月18日の宣告公判で、ユ・アインに対して懲役1年、執行猶予2年、罰金200万ウォン(約22万円)、追徴金154万ウォン(約17万円)を言い渡し、さらに80時間の社会奉仕活動および薬物治療講義の受講を命じた。
これにより、ユ・アインは一定期間、裁判所の命令を履行することに専念するとみられる。
今回の判決で検察は、一審と同様に懲役4年を求刑したものの、裁判所は執行猶予付きの判決を下した。その理由について、「被告人(ユ・アイン)は薬物依存の兆候を見せておらず、再犯の可能性が低い」と判断したと説明。
具体的に、ユ・アインが長期間にわたり睡眠障害やうつ病を患っていたこと、ペンタミン(向精神薬の一種)を治療目的で使用していた可能性があること、また薬物依存の兆候がなく、5カ月以上の拘束期間を経たことで反省していること、さらには過去に同様の犯罪歴がないことなどを考慮し、一審の判決は厳しすぎると判断した。
ユ・アイン自身も一審で懲役1年の実刑判決を受け、拘束された状態で「より成熟し、健康的に世の中と向き合いたい」と反省の意を示していた。
そんなユ・アインの今後の動向で最も注目されるのは、芸能界への復帰が可能なのか、そしてそれがいつになるのかという点だ。
まず、彼が出演する映画『勝負』は3月26日に劇場公開されることが決定。本作は、韓国囲碁界を代表する2人の棋士チョ・フンヒョン(演イ・ビョンホン)とイ・チャンホ(演ユ・アイン)の対決を描いた作品で、当初はNetflixで配信予定だったが、ユ・アインの問題を受けてスケジュールが変更され、最終的に劇場公開へと方針が変更された。
一方で、彼が主演を務めたもう一つの映画『ハイファイブ』については、依然として公開の目処が立っていない。制作会社は「ユ・アインの問題が完全に解決するまで、公開日程を確定しない」との立場を示しており、本格的な芸能界復帰はまだ不透明な状況だ。
ユ・アインの復帰を巡っては、ファンや世論の反応が分かれている。
一部のファンからは「すでに反省の時間を過ごしたのだから、復帰のチャンスを与えるべき」という意見が出ている一方で、「薬物犯罪に対する社会的な警鐘を考えれば、芸能界復帰は慎重にすべき」という否定的な見方も根強い。
そのため、ユ・アイン自身もすぐに復帰するというよりは、一定期間の自粛を経て世論の動向を見極める可能性が高い。現時点で彼は、今回の判決に対する公式なコメントを発表しておらず、今後の具体的な活動計画についても明らかにしていない。
ただし、映画『勝負』の公開が迫っていることから、何らかの形で公の場に姿を見せる可能性もゼロではない。仮にプロモーション活動に参加しない場合も、本作の評価次第で彼の今後のキャリアに大きな影響を与えることは間違いない。
今回の執行猶予判決により服役は免れたが、世間の目が依然として厳しいことは否めない。すぐの復帰は難しくとも、数年単位での復帰を見据えた場合、どのような形で活動を再開するかが重要なポイントとなる。
まずは『勝負』の公開を控え、彼が今後どのような対応を見せるのか、芸能界の動向とともに注目が集まる。
◇ユ・アイン プロフィール
1986年10月6日生まれ。本名オム・ホンシク、韓国・大邱(テグ)出身。2003年のドラマ『四捨五入』でAraの恋人役を演じ一躍有名に。デビューから1年でファンミーティングが開催されるほど異例の速さで人気を高めるが、芸能活動を一時休止。2006年から活動を再開し、様々なドラマや映画で助演を務める。2010年のドラマ『トキメキ☆成均館スキャンダル』で強い存在感を発揮し、ドラマ『ファッション王』『チャン・オクチョン』『密会』、映画『ワンドゥギ』『ベテラン』『王の運命 -歴史を変えた八日間-』『バーニング 劇場版』『#生きている』などの話題作に出演した。
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