大谷翔平が「マンチンナム」と呼ばれる理由。韓国の“二刀流”との違いとは?

150キロの速球を投げることから二刀流での起用も検討されたが、外野手としてスタートしている。常識を覆す大谷の挑戦は、韓国でも破格に映るのだろう。

もちろん、日本でも大谷は今や「常識を覆す革命児」のよう存在だ。

スポーツ新聞や一般週刊誌だけではなく、有名女性週刊誌でも「世界を震わす!! 大谷翔平伝説」としてその少年期や高校時代の秘蔵写真を交えたカラー特集が組まれていたこともあった。

また、大谷が使用している野球用具メーカーのアシックスなど、“二刀流旋風”で大谷と関連する企業の株価も高まっているらしい。

大谷はこのほかにも、日本航空(JAL)、スポーツブランドの「デサント」、サングラスの「オークリー」、プロテインの「ザバス」、寝具メーカーの「西川産業」などと契約を交わしているが、スーパースターなのに質素で謙虚でさわやかという人柄も、好感度を大いに高めているといえるだろう。

しかも、まだ若い。その可能性をますます伸ばしていきそうな勢いだが、ふと脳裏を過るは韓国の“大谷世代”たちのことだ。

実は大谷は高校時代、韓国で試合をしたことがある。2012年にソウルで開催されたU-18世界野球選手権だ。

大谷は初戦のカナダ戦で4番・投手で出場したり、韓国との5位・6位順位決定戦では先発もしているのだ。

その5位・6位順位決定戦では韓国が3-0で勝利しているが、大谷から先制二塁打を放ったソン・ジュンソクは高卒後、サムスン・ライオンズに入団。が、肩を痛めて、いったん、兵役のために軍隊へ。兵役を無事に終えて2018年からようやく韓国プロ野球に復帰している。

このソン・ジュンソクだけではなく、韓国の“大谷世代”たちの多くが、一旦プロ入りしたものの、兵役義務のために尚武や警察庁、公益公務員などを務め、2017年あたりから本格的なプロキャリアをスタートさせている選手が多いという。

高卒後に順調に才能を伸ばして今やアメリカで大活躍する大谷と、兵役を終えてプロとしてようやくスタートラインに立った韓国の“大谷世代”。

そこに、日本と韓国の若者たちが置かれた“現実”の違いの一端があると感じてしまうのは、少々考えすぎか……。

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