現在開催中のパリ五輪で韓国の“剣士”たちが乗りに乗っている。
フェンシング韓国代表は8月1日(現地時間)に行われた男子サーブル団体で金メダルを獲得し、五輪3連覇を成し遂げた(実施されなかった2016年リオ大会を除く)。アジアの国としては史上初だ。
7月28日には、男子サーブル個人でオ・サンウクが金メダルを獲得している。彼はサーブル個人と団体の両方で、韓国フェンシング選手としては初の五輪2冠に輝いた。
また、女子サーブル個人で世界ランク1位の江村美咲を破ったチェ・セビンが4位、女子エペ団体が5位を記録するなど、フランスの地で善戦している。
このような韓国フェンシングの躍進の背景には、ある企業の地道な後援があったという。
その企業とは、韓国大手携帯キャリアのSKT(SKテレコム)だ。同社は2003年に韓国フェンシング協会の会長社を引き受け、これまで支援した累計金額だけで約300億ウォン(約33億円)にも上る。
高価な装備の提供、代表選手たちの海外訓練、国際大会など、21年にわたって支援している。また、2004年からは「SKテレコム国際グランプリフェンシング」を開催し、韓国フェンシング界の発展に小さくない貢献をしているのだ。
そのようなSKTと韓国フェンシング協会は、今回のパリ五輪に向けて“3段階”にわたる支援策を実行した。
まず、パリ五輪の事前模擬訓練で実戦感覚を引き上げた。韓国・鎮川(チンチョン)選手村に五輪と同じ規格のピスト(コート)に加え、歓声と照明まで同じ条件の練習場を設置。選手たちはシミュレーションで五輪の雰囲気を間接的に体験し、適応力を高めることができた。
またトレーニングパートナー7人など、別途の専門チームをパリに派遣している。戦力アナリストの増員や、メディカルトレーナー2人の派遣など、体調管理も抜かりはない。
そして、今大会の指摘事項の一つである食事に関する対策もバッチリだ。毎昼食、パリのシャンゼリゼ通り近くの韓国料理店から弁当を配達している。
ほかにも、SKTと韓国フェンシング協会は今年初めから、パリ五輪のフェンシング競技場近くのホテルを先取り。ここは選手たちの休憩などにも使われるほか、事実上の韓国フェンシング代表の“ベースキャンプ”としても活用されている。
韓国フェンシング協会長を務めるチェ・シンウォン前SKネットワークス会長は、今回のパリ五輪でフェンシングの現場を訪れ、韓国選手団を応援、激励している。チェ会長は2018年に協会長就任以来、競争力強化のための支援の先頭に立っている。
大会直前に開かれた「Team SK」出陣式でオ・サンウクは、「海外の各種主要大会に心配なく参加できるようにしてくれたSKTにいつも感謝を感じる」と話していた。
また、2012年ロンドン五輪で男子サーブル団体の金メダルを獲得した、ウォン・ウヨン男子サーブル代表コーチは、「SKTの支援を通じて、(選手時代から)グランプリ、ワールドカップなど数十の国際大会に参加し、国際的競争力を備えることができるようになった」とし、「一企業の関心、そして持続的な支援が成し遂げた成果が、引き続き広がることを期待する」と話した。
勢いに乗る韓国フェンシング。3日には女子サーブル団体で再び金メダルに挑戦する。
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