宿命のライバル対決だが…U-23韓国代表が“日韓戦”で「無理をすべきではない」と言える理由

今回の“日韓戦”で最も重要なことは「実利」を得ることだ。

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ファン・ソンホン監督率いるU-23韓国代表チームは4月22日22時(日本時間)、カタール・ドーハのジャシム・ビン・ハマド・スタジアムで行われるU-23アジアカップ(パリ五輪アジア最終予選)グループB第3節で、大岩剛監督率いるU-23日本代表と対戦する。

韓国と日本はともに2勝(勝ち点6)を記録し、決勝トーナメント進出を早期に確定した。

勝ち点、得失点差、得点数すべて同じだ。そのため、最終節を通じて1、2位を決める。

大会規定により、90分を終えて引き分けの場合は、延長戦を行わずPK戦で勝敗を決める。

1位と2位とでその差は大きい。

1位通過の場合、準々決勝の相手はグループA2位のインドネシアと戦う。

一方、2位通過の場合はグループA1位のカタールを相手にしなければならない。カタールは戦力、ホームアドバンテージなどを考慮すると厳しい相手だ。

特に、判定問題が懸念すべき要素だ。カタールは今大会、有利な判定を受けているとして議論を呼んでいる。インドネシア率いるシン・テヨン監督も、グループ第2節のカタール戦で退場者2人を出して0-2と敗れた後、激しい感情を露にした。

これらを考慮しても、“日韓戦”で必ず勝利すべき理由が確かに存在する。

ファン・ソンホン監督
(写真提供=韓国サッカー協会)ファン・ソンホン監督

そのため、パフォーマンスよりも結果に集中しなければならない。

U-23韓国代表は大会前の時点で“プランA”が崩壊した。当初メンバーに選出していた欧州組3人を失ったからだ。

エースのMFペ・ジュノ(20、ストーク)、攻撃の中核を担うMFヤン・ヒョンジュン(21、セルティック)、守備の柱となるDFキム・ジス(19、ブレントフォード)が、いずれも所属チームの招集拒否により合流失敗となった。

実際、彼らの不在の影響はUAE、中国と第1~2戦で露骨に出た。チームとして期待に見合ったパフォーマンスを見せられなかった。

特に中国戦では序盤から相手に主導権を奪われ、守勢に追い込まれるなど厳しい試合を繰り広げた。サイド、中盤、DFで主力が抜けただけに致し方ないとも言える。

それでも、“史上最弱メンバー”という評価もあるなかで2勝し、早期に8強進出を確定したことはポジティブに捉えるべきだ。

ただ、“日韓戦”ではキャプテンでありDFラインのキープレーヤーである主力CBのDFピョン・ジュンス(22、光州FC)が累積警告で出場できない。

また、もう一人の主力CBであるDFソ・ミョングァン(21、富川FC 1995)は中国戦で負傷交代。診断の結果、ハムストリング肉離れによる最大8週間離脱とされ、事実上のアウトとなった。“日韓戦”はいつになく厳しい戦いとなりそうだ。

U-23韓国代表
(写真提供=韓国サッカー協会)U-23韓国代表

「内容」より「結果」を重視すべきワケ

さまざまな悪材料があるなかで、期待すべきことは“結果”だけだ。例え試合内容が厳しくても、勝利や引き分けに伴うPK戦など、結果を出すことが重要だ。

中盤でのプレーに優れる日本に主導権を渡し、苦戦を強いられる可能性もあるが、90分間で上手く粘ることができれば韓国にもチャンスはやって来る。

負傷やカード管理も重要だ。退場や負傷者発生などがあれば、次の準々決勝出場が不可能となるだけに、“日韓戦”で無理をする理由はない。

日本に勝って離脱者が発生するより、負けても100%の戦力を維持することが重要だ。

むしろ、次の試合を考えると適切なターンオーバーとコンディション管理が必要だ。敗北より痛いのは離脱者発生だという点を考慮しなければならない。

日本は第1、2節の2試合で大幅に選手を入れ替えて戦った。フィールドプレーヤーのうち、2試合連続で先発出場した選手は3人のみ。第3節では首位突破を決めるため、ベストメンバーを起用する可能性が高い。

もっとも、U-23韓国代表の究極的な目標は10大会連続となる五輪出場権獲得であり、目先の“日韓戦”に勝利することではない。3位以内に入り、パリ五輪本大会ストレートインのチケットを得ることが最優先だ。

ライバル対決という理由で“日韓戦”を無理に戦えば、決勝トーナメント以降に悪影響を及ぼしかねない。

ファン・ソンホン監督は、昨年の杭州アジア大会で短期トーナメント運営のノウハウを身につけた。今大会もアジア大会と大きく変わらない。

グループステージ突破が最大の目的ではないという事実を指揮官は誰よりもよく知っている。ファン・ソンホン監督も経験を基に日本戦のプランを立て、運営するものとみられる。

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