韓国プロ野球優勝監督が日本で4軍コーチに?ソフトバンクに加わるキム・ウォニョン氏来日のワケ

福岡ソフトバンクホークスが受け入れる韓国プロ野球“優勝経験監督”が、来日の理由を明かした。

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ソフトバンクは4月4日、SSGランダース前監督のキム・ウォニョン(金圓衡)氏のコーチ研修受け入れを発表した。

キム・ウォニョン氏は4軍コーチを務める。その背景には、“師匠”ことソフトバンク元監督付特別アドバイザー、キム・ソングン氏の斡旋があった。

キム・ウォニョン氏は6日、本紙『スポーツソウル』に「日本の野球をもっと知りたかった。育成システムが気になった。キム・ソングン監督のおかげで来ることができた。個人でこうすることは難しい。監督が注力してくださったおかげで可能だった」と伝えた。

続けて、「数日たっていないが、少し見ただけでも規模から違う。施設が整っている。ソフトバンクは3軍を越えて4軍まで運営している。今日は4軍の試合がある。コーチも多く、選手も多い。研修は今季終了までだ。練習システム、育成システムがどのようになっているのか見てみようと思う。たくさん勉強する」と明かした。

3日から研修のため日本に向かったキム・ウォニョン氏。家族は皆韓国に置き、単身で海を渡った。

キム・ウォニョン
キム・ウォニョン氏

“優勝監督”が“4軍コーチ”に

数年前までは一球団を率いる首長だった。2021年、SKワイバーンズから改称したSSGランダースの初代監督に就任。2022年にはレギュラーシーズンで一度も首位を降りず優勝し、韓国シリーズまで制覇する“統合優勝”の感激を味わった。

ただ、2023年は目標の2連覇に失敗。レギュラーシーズンを3位で終え、準プレーオフも3連敗で早期脱落した。結局、同年10月31日に解任を余儀なくされた。当時は解任に異を唱える声も多かったが、キム・ウォニョン氏は黙々とその場を去った。

その後、しばらく期間を空けて日本に向かった。「より良い指導者となる」その思い一つで、家族と離れて一人飛行機に乗った。そこで間を取り持ったのがキム・ソングン氏だった。

「キム・ソングン氏のおかげで得たチャンスだ」というキム・ウォニョン氏は、「一人でも大丈夫だ。遊びに来たわけではないのだから」と笑顔で伝えた。

ソフトバンクの球団規模はまさに“マンモス級”だ。

1軍から4軍まで運営する唯一の球団であり、ホームページを見てもコーチ陣だけで38人もそろっている。そのうち、2~4軍コーチだけでキム・ウォニョン氏以外に28人。NPB公式発表基準では登録選手65人、育成選手54人だ。計119人に上る。

福岡県筑後市には、最新式の育成施設とされるタマホーム スタジアム筑後がある。本拠地・福岡市から車で50分程度の距離だ。キム・ウォニョン氏はここでコーチとして働く。

キム・ウォニョン
(写真提供=OSEN)キム・ウォニョン氏

近年、国際大会で失敗が続く韓国野球界では「ますます日本との格差が広がる」という言葉が次々と出ている。だからこそ、何もしないわけにはいかない。学ぶべき点があれば学ぶべきだ。

韓国プロ野球球団で監督を務めた人物が、日本プロ野球の4軍で研修を受ける理由もそこにある。

キム・ウォニョン氏は「公式的には9日からスタートだ。一応、数日見ている。2軍選手の練習とコーチングを先に見た。3軍と4軍まで運営するだけに、どうしているのか一生懸命学びたい」と、日本でのコーチ研修への意気込みを語っていた。

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