“最強国”侍ジャパン破り優勝へ…韓国がアジアCSを軽視できないワケ「球界の未来がかかった大会」

一部からは“小さな大会”という声もある。しかし、野球の世界で意味のない大会はない。

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本日(11月16日)から東京ドームで開幕する「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ2023」の話だ。韓国野球の未来がかかった大会だからだ。

アジアプロ野球チャンピオンシップに出場する韓国代表は14日に東京入りした。到着同日は休息を取り、15日11時頃から東京ドームで団体写真撮影などを行った後、11時30分から約2時間練習を行った。

そして、本日からいよいよ開幕する。12時より、オーストラリアとの大会初戦を戦う。以降、17日19時より侍ジャパンとの“日韓戦”を戦い、18日19時より台湾と対戦する。

その後、19日に最後の試合が行われる。3位決定戦、もしくは決勝だ。当然、韓国は決勝進出を望んでおり、優勝まで見据えている。

日本が最強国だが…「目標は優勝」

良い雰囲気のなか、チームは初戦を迎えようとしている。

9~10月に行われた杭州アジア大会でも金メダルを勝ち取った。当時のメンバーの大半が、今回のアジアプロ野球チャンピオンシップにも出場する。最終エントリー26人中13人が金メダルメンバーだ。

残りの13人も、韓国プロ野球で指折りに数えられる有望株たちだ。

コンディション不良でアジア大会メンバーから落選した投手イ・ウィリ(21、KIAタイガース)はもちろん、ポストシーズンで猛威を振るった投手シン・ミンヒョク(24、NCダイノス)も選出された。

韓国シリーズに出場したLGツインズ、KTウィズの選手は外れたが、今回選ばれた選手たちは皆代表ユニホームを着ておかしくない人材だ。

野球韓国代表
野球韓国代表(写真は杭州アジア大会メンバー)

アジアプロ野球チャンピオンシップは、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)やWBSCプレミア12などと比べると、やや関心度や重要性が落ちるいう見方もある。

というのも、年齢制限のある大会だからだ。

同大会の出場資格には1999年1月1日以降生まれの24歳以下、もしくは入団3年目以内(2021年以降入団)という条件が付けられている。また、オーバーエイジ枠として29歳以下(1994年1月1日以降生まれ)の選手が3人まで出場できる。

そのような条件があるだけに、最精鋭のメンバーを構成することは難しい。一言で言えば、各国の若手同士が競う大会というわけだ。

ただ、だからこそ今大会が重要な意味を持つ。

今大会は韓国、日本、台湾、オーストラリアの各国の野球の未来を探る機会だ。つまり、この時点で勝てなければ「韓国の若い世代は弱い」という誤った認識を植え付けてしまう恐れもある。

韓国野球は近年、国際大会で相次いで苦杯をなめてきた。2021年東京五輪ではノーメダルの屈辱を経験し、今年3月のWBCも3大会連続となる1次ラウンド敗退に終わった。当然、「惨事」という声が多方面から飛んだ。

韓国代表
今年3月に行われたWBCでの韓国代表

それでも、直近の杭州アジア大会で金メダルを獲得し、巻き返しのきっかけを作った。意味があった。韓国が自主的に年齢制限を設けて出場した大会だったからだ。そのため、「史上最も弱い代表」という辛辣な意見もあった。

そして、大会初戦で台湾に0-4で敗れたことで、再び「惨事」という声が噴出した。それでも決勝まで上り詰め、最後は台湾との再戦を2-0で制し雪辱に成功した。「最弱」と呼ばれた代表が、アジア大会4連覇という偉業を完成させた。

今後は2024年にプレミア12が行われ、2026年にはWBCと名古屋アジア大会が開催。2028年のロサンゼルス五輪では再び野球種目が復活する。国際大会が続々と控えている。

韓国代表は世代交代の最中にある。3月のWBCまで代表をけん引したベテランたちが退き、メンバーが大きく入れ替わった。今はまだ若い選手たちが、今後韓国プロ野球の主軸となり、代表でも中心選手になるだろう。

杭州アジア大会金メダルを通じて、第一歩は上手く踏み出した。ただ、そこで終わりではない。アジアプロ野球チャンピオンシップで再び頂点に立とうとしている。

今大会が代表初選出の選手にとってはスタートが肝心だ。今後も代表で生き残るうえでは必要な部分となる。成功体験は何にも代えがたい価値がある。

韓国代表率いるリュ・ジュンイル監督は「若い選手たちが成長する大会だ」と伝えた。アジア大会と比べれば、チームにかかるプレッシャーは少ない。とはいえ、厳然たる国際大会だ。決して軽視することはできない。

リュ・ジュンイル監督
リュ・ジュンイル監督

今大会出場国では日本が最強というが、韓国も目標は優勝だ。成果を出して帰ることができれば、代表メンバー全員が一段階成長を果たしたと言えるだろう。今後の国際大会を見据えても大きな“プラス要因”となり得る。

逆に、不振なパフォーマンスで大会を終えることになれば、アジア大会で手にした金メダルも色あせることになってしまいかねない。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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