日本バスケットボール協会(NBA)の「代表引退を認めない方針」が話題を集めるなか、韓国ではアジア大会でメダルを逃した男子バスケ代表の不振をめぐって“責任攻防”が繰り広げられている。
チュ・イルスン監督率いる男子バスケ韓国代表は、9月下旬から10月上旬にかけて行われた杭州アジア大会を7位の成績で終えた。
大会最終戦となった7位決定戦では日本に74-55で勝利したが、韓国は史上最低成績で大会を終えることになった。これまでは2006年ドーハ大会の5位が最低成績だった。
国内KBLの最精鋭でチームを構成した韓国だが、“第3陣”と言えるメンバーが出場した日本相手にグループステージ最終戦で77-83と敗れたのが、“杭州惨事”の決定的な原因だった。
その後、準々決勝進出決定戦を経る過密日程に苦しんだ韓国は、準々決勝で中国に70-84と完敗を喫すると、5~8位決定戦でもイランに82-89と無気力に敗れた。
「アジア7位」の惨事はすでに取り返しのつかない現実だ。
今はなぜこのようなことが起きてしまったのか、バスケ界で互いに協力して冷徹に判断し、制度改善のための業務に果敢に取り組まなければならない。
しかし、韓国のバスケ界は依然として、「誰のせいで成績が出なかったのか」と、お互いに責任を問いただす水準にとどまっている。
その代表的な例が、「バスケ界大御所の外圧説」だ。
バスケ界では、「韓国バスケットボール協会前会長のパン・ヨル氏などバスケ界の大御所たちが、アジア大会を控えてチュ・イルスン監督に“FIBAの審判から目を付けられているイ・デソンとチェ・ジュンヨンを選抜するな”という内容を盛り込んだ手紙を書いて伝達した」といううわさが広まった。
これにパン・ヨル氏は、『OSEN』の電話取材で「初めて聞く話だ。アジア大会前、FIBAの技術研究委員として活動しながら作成した各国の戦力分析資料を伝えるため、チュ・イルスン監督と連絡を試みたが、伝達することができなかった。大会中は一切、電話やメールなどの連絡をしなかった。大会が終わった後、チュ監督から先に連絡が来て、“お疲れ様”と激励したのがすべてだ」と噂を真っ向から否定した。
韓国は昨年7月のアジアカップ準々決勝でニュージーランドに78-88で敗れた。
当時、キャプテンのイ・デソン(33、シーホース三河)が相手選手との神経戦でテクニカルファウルを受けて退場となった。また、試合終盤には興奮したチェ・ジュンヨン(29、釜山KCCイージス)が審判の判定に強く抗議し、彼もやはり退場となっていた。
パン・ヨル氏は「私がバスケ協会の会長を退いたのがもう3年前だ。両選手が代表として見せてはならない行動をしたのは残念だが、2人を選ぶなと指示したことはない」と述べた。
ただ、別のバスケ関係者B氏は「代表メンバーの選抜を控え、競技力向上委員会では“大御所たちがイ・デソンとチェ・ジュンヨンを良く思っていない”という話があった。選抜に影響を及ぼしたのは事実だ」と反論した。
自らの意志であれ他意であれ、パン・ヨル氏らが実際の選手選抜に影響を及ぼしたという話だ。
「韓国の選手がFIBAの審判に目を付けられている」という指摘については、バスケ関係者の間でもさまざまな意見が挙がっている。
バスケ関係者C氏は「FIBAはプロフェッショナルな組織だ。該当審判が当時のチェ・ジュンヨンに対し良くない感情を持ったことはあり得る。だからといって審判全体が談合し、次の国際大会で韓故国に露骨な偏向判定で報復するのだろうか?常識的にあり得ないことだ。審判も自分のキャリアがかかっているのに、果たしてそうするだろうか。韓国の試合にどのような審判が割り当てられるかは全くわからない」と述べた。
D氏は、「例えイ・デソンとチェ・ジュンヨンが審判に目を付けられているとしても、実力があるのであれば選ばなければならないのが監督の役割だ。“審判が怖いから”という理由で、必要な選手を選ばないのであれば話にならない。2人をコントロールできなかったのも、結局はチュ・イルスン監督の責任だ」と指摘した。
昨年5月に男子バスケ韓国代表の新指揮官に就任したチュ・イルスン監督は、杭州アジア大会を最後に契約期間が終了した。
韓国は来年2月からアジアカップ2025年大会の予選が始まる。オーストラリア、タイ、インドネシアと同じグループAに属する韓国は、来年2月22日に敵地でオーストラリアと対戦する。
しかし今回、史上最悪の惨事に見舞われ監督までいなくなり、新たに内紛も指摘された。韓国バスケの低迷はしばらく続くことになりそうだ。
(記事提供=OSEN)
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