Kリーグ最下位を首位撃破に導いた元川崎・小塚…仲間が語る“カズキさん”の「ポジティブな影響力」

川崎フロンターレからKリーグに渡った日本人選手が、新天地に多くの変化をもたらしている。

【注目】小塚が“Kリーグ最下位”に移籍した理由

7月15日、水原(スウォン)ワールドカップ競技場で行われた水原三星(スウォン・サムスン)ブルーウィングス対蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)のKリーグ1(1部)第23節は、水原三星の3-1の勝利に終わった。

前半39分に生まれた水原三星の先制ゴールの起点となったのが、今夏の移籍市場で川崎から加入したMF小塚和季(28)だ。

当時、敵陣でのスローインからサイドで細かくボールをつなぐと、小塚が相手DFラインの後方を絶妙に突くスルーパスを放る。これに反応したMFチョン・スンウォン(26)がゴール前にクロスを上げ、最後は走り込んだFWチョン・ジヌ(23)がヘディングでネットに突き刺した。

単独首位の蔚山相手に3発快勝を収めた水原三星は、第23節を終えて3勝6分け14敗の勝ち点15。依然として12チーム中最下位だが、勝ち点16で11位の江原(カンウォン)FCとの差を1ポイントにまで縮めた。

“カズキさん”から得た気づき

先制点が自身の今季初得点となったチョン・ジヌは試合後、当時のゴールを演出した小塚を絶賛していた。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)先制点を決めたチョン・ジヌ(左から2番目)

「カズキさんだけの長所があります。ピッチ上で常に余裕があり、パスの質も優れています。カズキさんが余裕を持ってプレーをするので、僕たちもその姿を見て“気楽にやっても良いんだ”ということをたくさん感じました」

そう語るチョン・ジヌは、「ピッチ上での活躍だけでなく、そのような心構えで試合に臨む姿が、周りの選手たちを楽にしてくれています。また、カズキさんも積極的に僕たちとコミュニケーションを取ってくれます」と、小塚がチームにもたらした“ポジティブな影響力”を明らかにした。

Kリーグでの登録名を「カズキ」とする小塚。過去にはU-18日本代表に選出された経験もあり、Jリーグではアルビレックス新潟、レノファ山口、ヴァンフォーレ甲府、大分トリニータ、川崎と渡り歩いてJ1通算71試合2ゴール、J2通算70試合14ゴール、J3通算34試合6ゴールを記録した。

今月6日に水原三星への移籍が発表され、9日の大田(テジョン)ハナシチズン戦で先発出場し新天地デビュー。同日は後半終了間際に交代となったが、前節の浦項(ポハン)スティーラーズ戦、今回の蔚山戦はいずれもフル出場を果たしている。

それまで深刻な低迷にあえいでいた水原三星は、小塚の加入で安定感を取り戻した。早くもチームの中心選手となった小塚のプレーを見て、チョン・ジヌも新たな“気づき”を得たようだ。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)小塚和季

「キム・ビョンス新監督をはじめ、(夏に加入した)コ・ムヨルさん、キム・ジュウォンさん、カズキさんが来て、沈んでいたチームの雰囲気が良くなりました。それがここ数試合の結果にも現れていると思います。選手同士で一丸となり、団結していると感じています。実際、そのような話を試合後にもしましたし、とても嬉しかったです」

チョン・ジヌは最後に、「水原三星がこの順位にいてはならないのに、最下位が続いていることで非難を受けることもありました。ファンにもっと良い姿を見せなければなりません。選手たちはファンに喜びをもたらさなければならない。もっと団結して勝ち抜いていきます」と、後半戦の巻き返しを力強く誓った。

なお、水原三星は来る22日に行われる第24節で、11位の江原と直接対決を繰り広げる。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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