“監督日韓戦”が実現!東南アジアのビッグマッチで西野監督とパク監督の直接対決

2019年11月18日 サッカー

韓国と日本の指導者が、東南アジアの“スーパークラシックマッチ”と呼ばれるベトナム対タイのライバルマッチで知略戦を繰り広げる。

パク・ハンソ監督率いるサッカーベトナム代表は11月19日22時(日本時間)、首都ハノイのミーディン国立競技場で2022年カタールW杯アジア2次予選のグループG第5戦目を戦う。

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東南アジア両国の悲喜が交錯したことで、今回の対決はより熱を帯びることとなった。ベトナムは、11月14日にグループ内トップシード国のUAE相手にホームで1-0と勝利し、3勝1分(勝ち点10)でグループ単独首位に立った。

一方のタイも10月15日にUAEを下すも、11月14日のマレーシア戦にアウェーで敗れ、不覚を取った。勝ち点7で2位につけてはいるが、UAEとマレーシアがどちらも勝ち点6ですぐ後ろに迫ってきている。

今回の試合は、サッカー以外にも多くの意味を持っている。ベトナムとタイは国境こそ接していないものの、東南アジアの盟主の地位をかけてライバル関係を形成している。国際舞台における政治・経済・社会的立場はもちろん、スポーツでも争いを繰り広げている。

両国間においては、スポーツにおいて絶対に相手に敗れてはならないとされている。この様相は、日韓戦にかける双方の思いとよく似ているだろう。

ベトナム代表パク・ハンソ監督(写真左)とタイ代表西野朗監督(写真右)

このような状況で、ベトナム代表を韓国人のパク・ハンソ監督が、タイ代表を日本人の西野朗監督が率いていることも、付け加えるべきストーリーだ。

2017年10月にパク監督が就任するまで、ベトナムサッカーはタイの前にことごとく敗れてきた。タイ相手にいつも自尊心を傷つけられる状況だった。だが、パク監督が指揮を執るようになり、立場は逆転した。

就任後、U-23ベトナム代表を率いてM150カップ2017の3位決定戦でタイを2-1で破ったパク監督は、アジアサッカー連盟(AFC)U-23選手権2020予選(兼東京五輪1次予選)でタイに4-0で完勝し、東南アジア最強国として名乗りを上げた。

A代表においても、6月に行われたキングスカップ2019でベトナムは開催国タイに1-0で勝利した。9月5日に行ったカタールW杯アジア2次予選初戦においては、タイのホームでスコアレスドローに終わった。タイを相手にすると不安視されていたベトナムが、すでに180度立場を逆転させて大きな自信を得ている。

パク監督は、ベトナムとタイ、韓国と日本と複数の要素が絡む今回の試合の意味をよく理解している。

11月12日に行われたUAE戦の試合後のインタビューで、「韓国で監督業をしているときから、西野監督とは縁があった。彼については代表やクラブにいた際にすべて把握しているし、対戦経験もある。だが、タイのサッカーに関してはまだ深くはわからない」と語った。

また、「西野監督が好むサッカーはわかっている。彼は経験豊富だ。(次の試合でも)変化を加えることは十分に予測できる」と話した。

西野監督は、2018年ロシアW杯で日本代表を率い、チームを決勝トーナメントへと導いた。タイにとっては、西野が“新たなパク・ハンソ”となることを願っている。

ハノイの地で”監督日韓戦”が繰り広げられようとしている

パク監督は日韓戦のようなタイ戦へ向け、ち密な準備を進めている。U-19ベトナム代表のフィリップ・トルシエ監督を通じて情報も得ているようだ。トルシエ監督は、2002年の日韓W杯で日本代表を率いてベスト16に進出させ、今日の日本サッカーに多大な貢献をした指導者だ。そんなトルシエ監督が、タイ対マレーシアの試合を分析し、パク監督に伝えた模様だ。

パク監督はタイとの試合を控え、「私はベトナム代表監督だが、韓国人だ。そして、タイには日本人(西野)監督がいる。東南アジアサッカーにおいては、ベトナムとタイが最大のライバル関係にある。そのため、我々も多くの準備をしなければならない。タイも相当の対策をしてくるだろう」と覚悟を述べた。

さらに、「ベトナム国民は勝利という結果のみを好む。私のサッカーは変わらない。過程も重要であるが、国民に勝利をもたらすことが重要だ。勝利に焦点を合わせて試合をすべきだ」とパク監督は述べた。

西野監督も、敵地ベトナム戦での勝利がマレーシア戦の黒星を払しょくする方法であることはわかっている。

11月16日にハノイに降り立ったタイ代表チームは情報流出を心配し、ベトナムサッカー協会が提供したトレーニング場ではなく、ハノイ郊外のベトテルサッカーセンターをベースキャンプ地とし、外部メディアの接近を遮断した。ミーディン国立競技場までは車で1時間もかかる場所に位置するが、これを受け入れてでも極秘裏にトレーニングを行うという西野監督の意思が表れている。

アジアで注目される東南アジア両国によるビッグマッチが、いよいよ行われようとしている。

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