渋野日向子や鈴木愛と賞金女王を争う申ジエ、もうひとつの“ライフワーク”とは?

2019年11月15日 ゴルフ

同大会はその名の通り、申ジエと彼女のスポンサーであるスリーボンドが協力して行われるゴルフのジュニア大会だ。2015年から行われており、今年で6回目を数える。

それもただのジュニア大会ではない。第1回は韓国・全羅南道で、第2~5回大会は日本・千葉県で行われ、常に日本と韓国のジュニアたちが参加してきた。

以前、申ジエ本人から大会開催に至った理由について聞いたことがあるが、それは彼女の強い要望だったという。

「私がジュニアだった頃はそれこそ練習がすべてでしたが、韓国と日本のこれからのジュニアたちには技術を伸ばすだけではなく人間性も伸ばしてほしい。そのために私の経験を伝えたいという思いに、スポンサーのスリーボンドさんが賛同してくださって実現した大会です」

ジュニアたちの競技力向上とゴルフを通じた日韓交流を促進させたい。そんな思いが込めて始まった大会で、申ジエのマネージメントを担当し、裏方の1人としてジュニア大会を準備してきた金愛淑(キム・エースク)さんによると、今では彼女の“ライフワーク”のひとつになっているという。

(写真提供=KLPGA)申ジエ

「彼女はもともと寄付活動やジュニア育成に関して積極的ですが、韓国と日本で実施しているジュニア・トーナメントに関しては特に情熱を注いでいます。彼女はよく、“ゴルフが今の自分を作った”と言うのですが、そのゴルフで、草の根レベルであっても日韓関係の改善や交流促進に役立ちたいと願っているんですね」

たしかにその通りかもしれない。国や育った環境が違っても、ゴルフを通じて互いにわかり合えるし、仲良くなれる。ゴルフが日韓交流の一助になれるかもしれない。申ジエも以前、こんなことを言っていた。

「若い頃から交流していれば、互いに距離感が縮まるし、その交流がやがて貴重な財産にもなる。私だって高校時代に出場した日韓対抗ゴルフ選手権のときの日本人選手たちは今でも仲が良いんですから。そういった機会を、これからプロになる若い世代にもたくさん経験してほしい」

今年は小学生の部で男女各10人、中学生の部で男女18人、高校生の部で男女各18人の計92人の韓国ジュニアと、12人の日本選抜選手を加えた計104人の選手たちで行われるという「申ジエ&スリーボンド ジュニアトーナメント」。

大会の最優秀選手には12月にオーストラリアで行われる「ヴィクトリア・オープン」に出場できる特典も用意されているというのだから、俄然も盛り上がることだろう。

「過去の大会では申ジエ選手本人も自ら大会に参加し、プロゴルファーを目指すジュニアたちと交流を深め、彼女自身もそれを楽しみにしていたのですが、今回は残り3試合となったツアーに集中するために仕方なく見送りました。今年こそ賞金女王のタイトルを手にしたい。そんな思いではないでしょうか」(金愛淑さん)

韓国では3年連続(2006~2008年)で賞金女王に君臨し、2009年にはアメリカ女子ツアー賞金女王にも輝いている申ジエ。

日本ツアー本格参戦時から「日本でも賞金女王のタイトルを狙う」と公言してきたし、筆者も彼女の口から直接「いつかそれができると思う」という言葉を聞いたが、2014年は4位、2015年は3位、2016年は2位、2017年は5位と、近づくようで届かなった。昨年も最終的には2位に終わっている。

日本でも賞金女王のタイトルを手にできれば、史上初の日米韓3カ国ツアーで賞金女王になるが、はたしてその快挙達成はなるか。

渋野日向子の巻き返しか、鈴木愛の追い上げか。それとも申ジエが振り切るのか。賞金女王レースはこれからますます熱を帯びてきそうだ。

前へ

2 / 2

次へ

RELATION関連記事

RANKINGアクセスランキング

PHOTO写真

TOPIC「BTS」特集