韓国プロ野球の熱狂的な日本人女性ファンを発見!「応援するために韓国へ移住しました」

日本で巻き起こった韓流ブームの火付け役といえば、2002年に大流行した“ヨン様”ことペ・ヨンジュン主演のドラマ『冬のソナタ』だろう。

以降、K-POPをはじめ、さまざまなカルチャーが隣国・日本でも流行していった。

そして現在では芸能界の枠を超えて、スポーツの分野にまで“韓流愛”が広がりを見せている。

10月26日、韓国プロ野球の斗山(トゥサン)ベアーズとキウム・ヒーローズが優勝をかけて戦う韓国シリーズの第4戦が、ソウルの高尺(コチョク)スカイドームで行われた。斗山の優勝にリーチがかかっていたこの試合に、ある特別な人が訪れていた。

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その人は、斗山のベテラン遊撃手キム・ジェホの熱狂的ファンであるオオツカシゲコさんだ。ファン歴10年にもなるという彼女は今年、住み慣れた日本から韓国への移住を決めた。

その理由は、キム・ジェホへの特別な愛情ただひとつしかない。斗山のシーズンチケットは欠かさず購入し、レギュラーシーズンは斗山の試合があればホームやアウェー関係なくスタジアムに足を運び、選手に声援を送る。

キム・ジェホの熱狂的なファン、オオツカシゲコさん

オオツカさんが持つキム・ジェホへの愛情は、球団内でも有名だ。

球団側はオオツカさんが試合に来た際、観戦しやすい席に座ることを提案したが、オオツカさんはそれを断った。彼女も他のファンと同じ思いでキム・ジェホを応援するだけであり、他と比べて特別なことは少しもない。

この思いは今回の韓国シリーズ第4戦でも同様であり、オオツカさんは応援する過程で仲良くなった韓国人ファンの友達と一緒にチケットを購入していた。

試合開始2時間前、斗山の練習模様を見つめる彼女の姿が応援席にあった。

オオツカさんはつたない韓国語で、「キム・ジェホのファンになって10年くらい経った。彼の守備する姿がかっこよくて、ファンになった」と照れ笑いをしながら答えた。

キム・ジェホのファンになったきっかけは、約10年前に斗山が日本で行ったスプリングキャンプだ。オオツカさんは「斗山がキャンプで宮崎を訪れていた。そのとき、グラウンドを駆ける彼の姿がとてもかっこよかった」と、キム・ジェホから目を離せなくなった当時を振り返った。

キム・ジェホ

韓国への移住を決めた理由も聞いてみた。いくら熱狂的なファンであろうと、慣れ親しんだ日本を離れるのは容易ではないと十分に想像できるだろう。だが彼女が韓国行きの飛行機に乗った理由は、思ったよりもシンプルだった。

オオツカさんは「私は結婚もしていないし、責任を持たなければならない家族もいない。妹が結婚しているので、特に大きな問題はない」と笑いながら話してくれた。

移住を決めるほどに大きな愛情を持っているだけに、キム・ジェホの些細な負傷にも彼女の気分は左右される。それが垣間見える場面が、10月25日の韓国シリーズ第3戦で起きた。

キム・ジェホがキウム投手の放ったボールを身体にまともに受け、痛みを訴えたのだ。

当時の心境をオオツカさんに聞くと、終始明るかった彼女の表情が急激に暗くなるのがわかった。「プレーが上手くいかなくても、怪我さえなければいい。あの死球の場面は本当に心痛かった」と、憂いの表情を隠せずにいた。

キム・ジェホへ向けた熱烈な愛情は、斗山というチームそのものへの愛情にもつながる。

キム・ジェホのユニホームを着て応援するオオツカさん

最近では外野手チョン・ジノを推しているという。オオツカさんのインタビューを見守っていた韓国人の友人も、「最近はチョン・ジノも好きなんでしょ」といじわるそうに笑っていた。

オオツカさんは「事実、彼も斗山も好きだし、選手全員がかっこいい。第4戦も勝利してくれると…」と応援の気持ちを高めていた。

韓国へ移住するほどに大きなオオツカさんの愛情が届いたのか、第4戦で斗山は延長戦にもつれる接戦を11-9で制し、3年ぶり6度目のシリーズ制覇を成し遂げた。オオツカさんは試合後の斗山の優勝セレモニーを最後まで見守り、優勝カップを手にして笑顔を見せるキム・ジェホの姿を目に焼き付けていた。

試合の度に応援席を訪れ大声で送る彼女らファンの声援は、選手たちが最後までプレーできる大きな原動力になっている。国をも超えた彼女の愛情は、斗山とキム・ジェホの韓国シリーズ優勝に少なからぬ力を与えてくれただろう。

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