コ・ウソクは当時、宿命のライバル日本代表との準決勝で、2-2の同点で迎えた8回に登板した。ところが、一塁ベースカバーミスで韓国にピンチを招くと、二死満塁で山田哲人(30、東京ヤクルトスワローズ)に走者一掃の二塁打を放たれ、最終的に2-5で敗れた。
「あの試合だけでなく、ほかの試合でも決して消えない記憶というのがある。ただ、自分の実力が足りなくて失敗し、実力もかなり落ちたと思った」
「すべてが実力の一部分だと思う。緊張してそうしたというのは傲慢な考えだ。自分の実力が足りなかった」
そう打ち明けたコ・ウソクは、「緊迫した状況で自分が選択できる球がないと考えた。それが努力の踏み台になった」とし、「東京五輪をきっかけにさらに努力し、今まで以上に発展したと思うので、今回がどうなるか気になる。自信を持って戦ってみたい」と意気込みを語った。
緊迫した状況で、勝負を決める一発が足りなかったという意味と読み取れる。これを足がかりに成長を重ねてきた。
そして昨シーズン、コ・ウソクは61試合に登板して4勝2敗42セーブ、防御率1.48の活躍でセーブ王に輝いた。さらにはリーグ最年少40セーブ(24歳1カ月21日)の記録も塗り替え、名実ともに国内最高の抑え投手として位置づけられた。次のステップはWBCで守護神の役目を果たすことだ。
心に安定感ができた。東京五輪とは違い、自分だけの確固たるルーティンを立てて大会を準備したことで、心理的に楽になったのだ。コ・ウソクは「WBCに向けた準備過程で、感覚を引き上げるためのルーティンが生じた。それで例年より早く引き上げるのが楽になった」と説明する。
WBCでは投球数が30球を超えた場合、義務的に1日休まなければならない規定がある。オリンピックやアジア大会など、ほかの国際大会とは異なるものだ。そのため、投球数の管理も重要な事案となる。
コ・ウソクは「状況に合わせて調整しながらも、必ず投げなければならない状況が来たら(制限を)超えてでも投げる」と話した。
そして、「自分が投げて勝てる試合であれば、30球を超えてでも投げなければならない状況になり得る。状況に合わせて上手く調整して投げたい」と強調した。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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