開催国アメリカは早くもスーパースターが参加宣言をし、日本もメジャー最高のスターの一人である大谷翔平(28、ロサンゼルス・エンゼルス)がWBC出場意思を表明した。日本人の祖母を持つクリスチャン・イエリッチ(31、ミルウォーキー・ブルワーズ)も侍ジャパンに合流秒読みという話も聞こえている。
韓国野球委員会(KBO)が頭を抱え、最強の戦力を構築するために苦心している韓国とはあまりに対照的だ。
野球韓国代表は、いわゆる“ドリームチーム”が出場した国際大会では世界的な競争力を証明してきた。
プロ選手が代表のユニホームを着るようになったのは1988年のバンコク・アジア大会からだったが、2009年の第2回WBCまでは世界が驚くような競技力を誇った。
ただ、2009年WBCで韓国を準優勝に導いたキム・インシク監督は、「数人の選手の技量はアメリカや日本の主軸選手と比べても遜色がないのが事実だ」としながらも、「我々は最強のチームを1チームしか作れないというのが現実だ」と吐露していた。それだけ選手賞が薄いという意味だ。
2009年大会の準優勝を最後に、韓国は2013年大会、2017年大会と直近2回のWBCで2次ラウンド進出に失敗している。オランダやイスラエルといった伏兵に足元をすくわれ、下方平準化したことを証明し、多くのひんしゅくを買った。“どうにか絞り出して構成した最強チーム”という点で、戦力そのものが弱かった。
KBOリーグの興行と野球ブーム再点火のためにも、ベスト4以上の成績が求められていることは、次のWBCでも事情が似ている。選手たちに代表に合流してほしいと訴えるのは、例え山河が変わっても変化しないことだ。
キム・ハソン(27、サンディエゴ・パドレス)やチェ・ジマン(31、ピッツバーグ・パイレーツ)などメジャーで活躍する韓国人選手だけでなく、トミー・エドマン(27、セントルイス・カージナルス)などの韓国系メジャーリーガーに代表への合流を要請するため、技術委員会を緊急で発足するほどに選手層が薄い。
来るWBCで期待以下の成績を出してしまえば、韓国野球はさらに大きな危機に陥るしかない。
選手主導で最精鋭の代表を構成できる環境を整えるのは、アマチュアシステムから細かく設計してこそ可能なことだ。
韓国が名ばかりの“野球強国”へと転落してしまうのも時間の問題と言えるだろう。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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