ウルグアイと比較して韓国が“弱者”という評価はいたって正統だ。だからといって、韓国が相手にビビる必要はない。チームにはワールドクラスのストライカーであり、絶対的キャプテンのFWソン・フンミン(30、トッテナム)がいるからだ。
ソン・フンミンは昨季プレミアリーグの得点王だ。彼個人に限ればどの選手と比べても引けを取らない。加えて今年のバロンドールでは11位。ウルグアイの最高位はヌニェスで25位だ。両国合わせ最も優れた選手と見て差し支えない。
ソン・フンミンは今月初めに眼窩骨折の重傷を負い、手術した後、想像以上に早いスピードで回復している。試合を3日後に控えた時点で軽くヘディングを試みるまでに状態が好転した。
心理的に萎縮しかねないという懸念も出ているが、ソン・フンミンはメンタルや意志、責任感の強い選手だ。その問題はないだろうという意見も存在する。
エースの存在は韓国代表全体を強くする要因になる。MFソン・ジュンホ(30、山東泰山)は「僕の友達の心配はしなくても良い。昨日にフンミンと練習したが、遊び程度にボールを投げてあげた。とても心構えの強い選手なので、試合に出れば痛みを忘れて上手くプレーしてくれると思う」と信頼を示した。
とはいえ、手術後からまだ1カ月も経っていないだけに状態は懸念される。それでも、ベント監督は前日会見で「(ソン・フンミンは)出場可能だが、決めるまでにはまだ時間が残っている」と起用を示唆しているだけに、初戦からプレーする姿を見ることができるかもしれない。
前にソン・フンミンがいるなら、後ろに構えるはDFキム・ミンジェ(26、ナポリ)だ。
キム・ミンジェは今季にイタリア・セリエAの名門ナポリへ移籍して以降、順風満帆なシーズンを送っている。セリエAで14試合、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)で6試合と、計20試合でフル出場している。
すでにナポリになくてはならない選手となり、イタリアを超え欧州全体で大きく認められる選手にまで成長した。ウルグアイの守備陣と比べてもキム・ミンジェのパフォーマンスは劣らない。
欧州のビッグリーグでプレーしてまだ日が浅いため、認知度は低いかもしれないが、現時点の実力だけをみればキム・ミンジェの方が優れるという話も誇張ではない。
ソン・フンミンとキム・ミンジェ、攻守で2人の絶対的存在がいるだけに、韓国代表も自信を持って試合に臨めば異変を起こせる可能性は十分にある。DFキム・ジンス(30、全北現代モータース)も「多くの人がご存じだと思うが、フンミンとミンジェは国を代表し、世界的にもトップレベルの選手だ。チームメイトの立場からしても自負心と自信をもらっている」と力を込める。
この2人だけでなく、別の選手たちにも確かな競争力がある。
MFファン・インボム(26、オリンピアコス)、MFイ・ジェソン(30、マインツ)など中盤は十分な実力を備えている。所属チームでスランプに陥っているが、FWファン・ウィジョ(30、オリンピアコス)も良い役割を果たせるストライカーだ。
Kリーグで戦うキム・ジンスやFWチョ・ギュソン(24、全北現代モータース)、DFキム・ヨングォン(32、蔚山現代)、DFキム・ムンファン(27、全北現代モータース)なども実力や経験は十分。MFイ・ガンイン(21、マジョルカ)をはじめ、FWチョン・ウヨン(23、フライブルク)やFWソン・ミンギュ(23、全北現代モータース)など若手選手のポテンシャルが爆発することもあり得る。
W杯という大舞台では、自らを信じて自信を持つことが重要だ。仮にも相手の気に押されて萎縮してしまえば、いくら実力を持っていても発揮することはできない。今の韓国代表に必要なのは、「自分たちは上手くやれる」という確固たる自信だ。
何より、今大会ではサウジアラビア代表がアルゼンチン代表、日本代表がドイツ代表にそれぞれ2-1と大金星を挙げている。アジア勢快進撃の波に次は韓国が乗る番だ。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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