韓国代表を率いるポルトガル人監督にとって、日韓戦はどういう意味を持つのだろうか。
7月27日、パウロ・ベント監督率いる韓国代表は愛知県豊田スタジアムで行われたE-1サッカー選手権で日本と戦い、0-3の大敗を喫した。韓国は昨年3月に横浜で行われた親善試合に続く0-3のスコアだ。
引き分けでも優勝が決まった韓国だが、まったく驚異的ではなかった。日本の前線からのプレスでベント監督が志向する後方からのビルドアップは意味をなさず、GKチョ・ヒョヌ(30、蔚山現代)はもちろん、DFパク・ジス(28、金泉尚武)、クォン・ギョンウォン(30、ガンバ大阪)も幾度となくピンチを招いていた。
攻撃面ではKリーグで好調のFWチョ・ギュソン(24、金泉尚武)、FWオム・ウォンサン(23、蔚山現代)、MFナ・サンホ(25、FCソウル)らを揃えたが不発。移籍問題で代表から離脱したゲームメーカー、ファン・インボム(25、FCソウル)の不在が想像よりも大きかったようだ。
ベント監督は試合後、「日本は我々が予想した通りの試合をした。日本の水準は中国と香港とは違った。90分間、ずっと私たちより上手だった。日本が妥当な勝利を収めたと思う。私たちは最善を尽くしたがミスが多かった。これだけミスが多ければ、その代価を払うしかない」と相手への賞賛と自チームへの苦言を口にしている。
また「アジアでは引き続き他国と比較する。好ましくないし、多くの部分が違う。韓国と日本サッカーを単純に比較するのは難しい」と強調。逆に日本の森保一監督は、「今の選手たちは、心理的に韓国に遅れを取っているというコンプレックスが全くない。選手たちがしなければならないことに集中している。どの国と対戦しても対等な試合ができると思う。またアジアの国と試合をする時は、高い可能性で勝てるという気持ちもある」と力を込めた。
試合前の記者会見でベント監督は、「韓国では選手を評価する際、選手個人を中心に見る傾向がある。チームで評価したい。このような部分については変化が必要だ」と述べていたが、この発言とは異なり、日韓戦での韓国は無気力だったと言える。一人ひとりではなく、チームとしてもだ。
ベント監督が韓国代表指揮官に就任して4年が経過した。この間、多くの批判もあったが、自身の哲学と方向性を維持し、現在はワールドカップ本大会を控えている状況だ。
ただ日本との試合で戦術の実験を行うなど、特に無気力な姿を見せている。ベント監督にとって日韓戦はどういう意味を持つのだろうか。今一度問いたい。
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