この1試合が2022シーズンのKリーグ1(1部)優勝トロフィーの行方を左右するといっても過言ではない。
【動画】相手GK動けず…天野純の“芸術的”フリーキックがコレ
本日(6月19日)、蔚山文殊サッカー競技場で18時にキックオフするKリーグ1第16節では、MF天野純(30)が所属する蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)と、MF邦本宜裕(24)が所属する全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースによる“現代家(ヒョンデガ)ダービー”が行われる。
第15節まで終了した時点で、両チームの勝ち点差は大きく離れている。
蔚山現代は11勝3分1敗の勝ち点36という圧倒的な成績で首位を独走。一方、全北現代は7勝4分4敗の勝ち点25で3位と、蔚山現代と11ポイントもの差がある。
なお、両チームに挟まれた2位は8勝5分3敗の勝ち点29で済州(チェジュ)ユナイテッド。暫定3位には7勝5分4敗の勝ち点26で浦項(ポハン)スティーラースがつける。
今節の直接対決の結果次第では、先頭集団の勢力図が大きく変わる可能性がある。
蔚山現代が勝てば、現時点で2位と10ポイント差の勝ち点差を維持することができ、独走体制はさらに強固なものとなる。対して、全北現代が勝利すれば蔚山現代との差を8ポイントに縮め、追撃の余地が生じる。
Kリーグ1はまだ分岐点にも到達していない時点にある。両チームは今後正規ラウンド中に3度目の対戦をした後、上位グループと下位グループで分かれるファイナルラウンドで同グループに入れば、4度目の直接対決を繰り広げることになる。
今節を前に最大の“変数”となるのは、国際Aマッチ期間終了後のコンディションだ。
蔚山現代では韓国代表DFキム・ヨングォン(32)が国際Aマッチ4連戦中3試合に出場し、体力を使い果たした。
エースを担うジョージア代表MFヴァレリ・カザイシュヴィリ(29)も、この期間はUEFAネーションズリーグ全4試合に出場(先発1回、途中出場3回)。FWオム・ウォンサン(23)、DFキム・テファン(32)、GKチョ・ヒョヌ(30)も、それぞれ出場機会を与えられていた。
全北現代にも国際Aマッチに出場した選手は多い。MFペク・スンホ(25)、MFキム・ジンギュ(25)、DFキム・ジンス(30)、DFイ・ヨン(35)、DFキム・ムンファン(26)が少なくない時間をプレーした。
FWソン・ミンギュ(22)は4試合で出場がなく、新型コロナウイルスに感染するという悪材料に見舞われた。両チームとも同程度のダメージを負っているわけだ。
もっとも、目先の試合で勝利が求められているのは全北現代だ。
全北現代は6月、蔚山現代戦以降にホーム3連戦を戦うが、22日に水原三星(スウォン・サムスン)ブルーウィングス、25日に大邱(テグ)FC、そして29日にFAカップ準々決勝で水原三星と再戦と、難敵との戦いが続く。
ひとまず蔚山現代を下して首位との差を縮め、以降のリーグ戦で連勝、さらにはFAカップ準決勝進出まで果たせば、後半戦での巻き返しは十分可能となる。
逆に、6月の連戦を乗り越えることができなければ優勝争いはおろか下位に転落する危険性もある。約3週間ぶりに再開するリーグ戦の初戦で蔚山現代と激突するという点で、全北現代にとってはいつになく重要な一戦となる。
去る3月6日の今季初対決では蔚山現代が1-0で勝利した。当時は加入後2試合目のブラジル人FWレオナルド(25)が決勝ゴールを決め、蔚山現代を勝利に導いたが、内容面で見れば両チームに大きな差はなかった。支配率やシュート数も同程度で、パフォーマンスに現在の勝ち点差ほどの差は見られなかった。
試合のカギを握るのは全北現代の攻撃陣だろう。全北現代はリーグ戦15試合で全体ワースト4位の合計15ゴールを決めるにとどまっている。合計25ゴールで総得点数リーグトップの蔚山現代とは大きな差だ。
失点数で見れば蔚山現代(10失点)、全北現代(11失点)とほとんど差がないだけに、最終的な決定力が両チームの成績をハッキリと分けている。全北現代が今回のAマッチ期間、これらの弱点をどれだけ改善できたかが、通算106回目の“現代家ダービー”最大の見どころだ。
前へ
次へ