トッテナムの韓国代表FWソン・フンミン(29)には再びビッグクラブからオファーが来るかもしれない。毎年のように“キャリアハイ”を更新し続ける彼の去就に注目が集まることは当然の流れだ。
ビッグクラブへの移籍と関連したソン・フンミンの去就が、再び地元メディアの間で話題となっている。
『エクスプレス』や『イブニング・スタンダード』など、多数のイギリスメディアは、現役時代にトッテナムでもプレーした元ブルガリア代表FWディミタール・ベルバトフ氏の発言に言及した。
ベルバトフ氏は「ソン・フンミンは毎シーズンで良い活躍を見せている。これは言い換えれば危機的状況でもある」とし、「突然誰かが莫大なお金を持ってきては、ハリー・ケインではなくソン・フンミンにオファーをすることもあり得る」と伝えた。
これまではトッテナム生え抜きのスターであり、看板ストライカーだったイングランド代表FWハリー・ケイン(28)の去就に注目が集まっていたが、今ではソン・フンミンへの注目度がそれを上回ったという意味だ。
2015年夏にトッテナム移籍を通じてプレミアリーグに参戦して以降、毎年のようにアジア人選手の新たな歴史を築き続けるソン・フンミンは、今季プレミアリーグで熾烈な得点王争いを繰り広げている。
アジア人選手では史上初めて欧州ビッグリーグで「1シーズン20ゴール」という大記録を打ち立てたソン・フンミンは、22ゴールで得点ランキング首位のエジプト代表FWモハメド・サラー(29、リバプール)に次ぐ2位につけている。
トッテナムはリーグ戦3試合を残しており、ソン・フンミンも最終盤での劇的な逆転を狙っているが、仮に得点王になれなかったとしても、アジア人選手の新たな道しるべになることは間違いない。
このような活躍ぶりから、ソン・フンミンがプレミアリーグ内はもちろん、他国リーグのビッグクラブからも補強のレーダー網に入っているということは簡単に検討がつく。
実際、ソン・フンミンはこの2年間でバイエルン・ミュンヘンのような欧州トップクラスのメガクラブからも関心を寄せられた。
29歳とサッカー選手としては脂の乗り切った年齢であり、“脱アジア級”のパフォーマンスはもちろん、アジア方面へのマーケティングの意味でも、選手価値の高いソン・フンミンを獲得しない理由はない。
ただ、天井知らずに高騰し続ける移籍金を巡って、さまざまな利害関係も生まれている。
ソン・フンミン自身、新型コロナウイルス感染症の状況を考慮し、移籍市場が慌ただしい状況では、無理に移籍するよりもトッテナムでキャリアを積み上げることを願っている。今季の活躍ぶりを見れば、彼が下した“残留”という決断が間違っていなかったことがわかる。
最も、今では新型コロナ関連の制限事項がほとんど解除されているだけに、ソン・フンミンの行き先に注目が集まるのは当然のことだ。
クラブキャリアで一度も優勝経験がないソン・フンミンとしても、“優勝圏内”に属したビッグクラブでキャリア最後の炎を燃やしたい意志もあるだろう。
もっとも、ソン・フンミンは昨年にトッテナムと4年の契約延長を結んだ。すなわち、ほかのチームがソン・フンミンを獲得する場合には巨額の移籍金が必要となる。トッテナムとしても、絶対的エースのソン・フンミンを易々とは渡さないはずだ。
はたして、ソン・フンミンは来季もトッテナムでプレーを続けるのか。今後の去就に注目しておきたい。
前へ
次へ