デイビッドソン大学に在学中のイ・ヒョンジュン(21)が、米プロバスケットボールNBAのドラフト申請書を提出した。来る6月23日(現地時間)、史上2人目の韓国人NBA選手が誕生するかどうかが決まる。
早くから予告されたことだった。イ・ヒョンジュンは昨冬の時点で、地元メディアのドラフト模擬指名順位に名を連ねていた。
大学卒業まで1年を残した3年生ではあるが、アメリカの選手は一般的に学年と関係なくプロに挑戦する。自身の価値が高いと判断すれば、ためらわずにドラフトに申請をする。プロチームとしても、優れた才能を持つ選手であれば1歳でも若いうちに獲得することを望んでいる。
実際、ドラフト最上位指名者の大半は大学1年や2年だ。昨年のドラフトでも、1位から5位まで全員が大学1年か、満20歳以下だった。
イ・ヒョンジュンとしても、NBAを狙うのであれば1歳でも若いときに挑戦した方が良い。
去る27日、イ・ヒョンジュンは自身のSNSを通じて「バスケットボール選手としての長期的な未来と、次の段階について真剣に考えた結果、僕はこの時点でプロに転向し、今度の6月にあるNBAドラフトに参加することを決めました。関連業務をサポートしてくれるエージェント、マネジメント会社も近く発表する予定です」と明らかにした。
その後、NBA公式ホームページには、ドラフト申請者としてイ・ヒョンジュンの名前が挙がっていた。2022年のNBAドラフトは、来る6月23日にニューヨーク州ブルックリンのバークレイズ・センターで行われる予定だ。
もっとも、NBA入りは決して簡単な挑戦ではない。NBAはアメリカの4大スポーツのなかでも最もプロ入りが難しい。ドラフト申請者の規模は200人をはるかに超えるにもかかわらず、声がかかる選手はわずかに60人のみだ。
ただ、その分だけ補償もある。最上位指名者は加入と同時に数千万ドル規模の契約を結ぶことになる。NBAドラフト上位指名によって人生が変わるといっても過言ではない。
イ・ヒョンジュンは上位指名とは程遠い。冷静に分析すれば60人以内で指名されるかどうかも不透明だ。今年2月までは現地メディアの模擬指名順位で40~50位圏に入っていたが、ここ最近はそこからも姿を消している。米国大学バスケNCAAトーナメントでの苦戦が、模擬指名順位にも大きく影響したと見られている。
それでも、ドラフト当日まではまだ6週間の時間が残されている。イ・ヒョンジュンをはじめとするドラフト対象選手は、今後ドラフトコンバインとワークアウトに臨む。
コンバインを通じて身体検査を受け、運動能力を測定。ワークアウトはNBAチームが主導して行われ、各チームに合ったプログラムでドラフト対象選手の技量を評価する。
このワークアウトで価値が急激に上昇するケースも多い。昨年のドラフトの場合、全体4位のスコッティ・バーンズ(20、トロント・ラプターズ)、全体7位のジョナサン・クミンガ(19、ゴールデンステート・ウォリアーズ)、全体11位のジェームズ・ブックナイト(21、シャーロット・ホーネッツ)がワークアウトで活躍し、予想よりも高い順位で指名された。特に、バーンズは新人王を受賞する活躍まで披露した。
イ・ヒョンジュンの長所は身長とシュートだ。203cmと高身長のフォワードが、状況を問わず3ポイントシュートを沈める。1試合当たり3ポイントシュートの試みが50本以上も生まれるNBAで、シューターの重要性はいくら強調してもおかしくない。
イ・ヒョンジュンにとって最高のシナリオは、ワークアウトで巻き返しを見せることだ。ワークアウトで自身に対する評価を覆すことができれば、ドラフト前の模擬指名でも再び名前が載るはずだ。
なお、イ・ヒョンジュン以前に韓国人でNBA入りした選手はハ・スンジン(37、引退)ただ一人。ハ・スンジンは2004年のドラフト当時、全体46位でポートランド・トレイルブレイザーズの指名を受けていた。
ハ・スンジンは身長221cmの長身センターとして大きな注目を集めたが、NBAでのキャリアは3年と、長く活躍することができなかった。
ハ・スンジン以降にはパン・ソンユン(39、引退)、イ・デソン(31、高陽オリオンズ)らがNBAを目指すマイナーリーグのGリーグに進出し、NBAの舞台を夢見たが、最終的に実現することはなかった。
はたして、イ・ヒョンジュンはハ・スンジン以来の韓国人NBA選手となることができるのか。来る6月のドラフトを楽しみに待ちたい。
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