「インタビューよりも演技をする方が簡単です」
2008年生まれ、イマドキの14歳らしい答えだった。韓国女子フィギュア界の有望株に浮上したシン・ジア(14)が4月19日、仁川(インチョン)国際空港を通じて、多くの歓待のなかで韓国に帰国した。
シン・ジアは、去る18日(日本時間)までエストニア・タリンのトンディラバ・アイスホールで行われたISU世界ジュニアフィギュアスケート選手権の女子シングルで2位に入り、見事銀メダルを獲得した。
1位とはわずかな差だった。シン・ジアはフリーで技術点74.52点、演技構成点62.11点の計136.63点を獲得し、ショートプログラムの69.38点と合わせて自己ベストの206.01点をマークした。合計206.55点で1位のイザボー・レヴィト(15、アメリカ)とは0.54点差だ。
それでも、シン・ジアは自身の滑りに満足感を示した。「点差がほとんどなかったので惜しい気持ちもありましたが、正直メダルを獲れるとは思っていませんでした。だからこそより嬉しいです」と笑顔で語った。
韓国勢では16年ぶりとなる快挙だ。韓国の選手が世界ジュニア選手権でメダルを獲得したのは、2005年に銀メダル、2006年に金メダルを獲得したキム・ヨナ(31)以来のことだ。
そこに加えて、シン・ジアはパーフェクトな演技を披露。トリプルルッツ、トリプルトウループのコンビネーションジャンプも見事にこなし、後半もダブルアクセル、トリプルトウループのコンビネーション、トリプルフリップ、ダブルトウループ、ダブルループのコンビネーションも難なく跳んだ。
自身のことを「どちらかというと緊張する方ですが、舞台に立つと落ち着く性格です」と語るシン・ジアは、「自分がやるべきことだけをしっかりやろうという気持ちで臨みました」と、当時の演技を振り返った。
圧巻の演技を披露したシン・ジアも、スケートリンクを離れれば遊びたがりの年頃だ。食べたいものも多いし、やりたいことも多いことだろう。
ただ、シン・ジアの頭の中は“スケート”に対する考えでいっぱいだという。「(食べたいものを我慢することは)大変ですが、私自身がやりたいと思っているフィギュアのことを考えれば大丈夫です」とシン・ジアは言う。
シン・ジアは自分の長所に“ジャンプ”を挙げた。「得意ではありませんが、トリプルルッツ、トリプルトウループのコンビネーションが強みです。スピンやステップは楽しみながらやる方です」とのことだ。
3月19日に14歳の誕生日を迎えたばかりのシン・ジアは、まだ遠い話であるとはいえ、来る2026年に開催予定のミラノ・コルティナ冬季五輪も夢見ている。
「(オリンピックの)舞台に立つ絵を描いたこともあります」というシン・ジアは、「常に努力を怠らない選手、常に満足できる滑りができる選手になりたいです」と並々ならぬ意気込みを伝えた。
前へ
次へ