優勝剥奪の韓国U-18を教訓に…U-20W杯の韓国選手たちに急遽「人格教育」

2019年05月31日 サッカー

“弟たち”のニュースに“兄たち”も驚いた。

ポーランドのU-20ワールドカップに参加しているU-20韓国代表の選手たちは、5月30日の朝食後、韓国サッカー協会キム・パンゴン副会長兼戦力強化委員長から頼みの言葉を聞いた。

キム副会長は短いミーティングを通じて、選手たちに人間性の重要さを伝え、ワールドカップ期間中に国家代表選手としての品格と礼儀を守るよう強調した。韓国を代表するだけに、小さな行動一つひとつにまで注意を促すメッセージを送ったのだ。

キム副会長が突然、人格教育を実施した理由は、中国で起きた事件が関係している。中国の招待でパンダカップに参加し、優勝したU-18韓国代表の選手たちが優勝トロフィーを踏むなどの行為で、大きな物議を醸したのだ。

【画像】U-18韓国代表が中国の大会を冒涜!? 優勝カップを踏みつけて炎上、謝罪へ

授賞式当時、キム・ジョンス監督は記者会見のため不在で、その間いくつかの選手がトロフィーに足を上げるなどの誤った行動をし、中国や韓国から批判を受けている。事件の波紋が大きく広がると、キム監督や該当選手は主催側に謝罪し、韓国サッカー協会も中国サッカー協会と成都サッカー協会に公文書を送った。公式謝罪を通じて、外交的な摩擦を最小限にとどめる努力を傾けている。

該当の選手は満18歳の高校生だが、4月に坡州国家代表トレーニングセンターで行われたU-20韓国代表の国内最終トレーニングに参加していた。U-20韓国代表チョン・ジョンヨン監督の選択次第では、今回のU-20ワールドカップへの出場も可能だった選手だ。U-20韓国代表選手たちの仲間でもあった。

U-20ワールドカップに出場する選手たちもまだ幼く、今まさに人格が形成される時期にある。プロ生活を始めたばかりの選手もいれば、大学生の選手もいる。キム副会長は“万が一の事件”を防止するために、時間を作ったわけだ。

(写真提供=韓国サッカー協会)キム・パンゴン副会長

キム副会長は「協会副会長でありサッカー人、ひとりの大人として心が痛い。責任を痛感している」とし、「サッカー選手が運動だけをしてきたから起こった出来事だと思う。私もサッカー関係者のひとりとして、後輩たちが正しい道を進めるように願う。U-20代表の選手たちを集めたのも、そのためだ」と述べた。

そして「弟たちの出来事を他山の石として、良いサッカー選手になる前に良い人間に先になければならないという点を強調した。大会結果よりも重要なことがある。U-20代表の選手たちにとって、少しでも多くのことを感じる時間になればと思う」と続けた。

またキム副会長は、「今回の事件は現場の指導者たちにとっても大きな警戒心を与えることになりそうだ。サッカーだけを教えるのではなく、人格教育が先という事実を指導者も知るべきである。親も同じだ。運動する子供たちがサッカー以外のことにも肯定的で、健康的に、他人を思いやれるように助けるべきだろう。今後、協会でもさらに気を配れるような機会を設けたい」と、思いを明かした。

U-20韓国代表は日本時間の6月1日午前3時30分、アルゼンチンとグループリーグ最終戦を行う。1勝1敗でグループ2位の韓国は、この試合の結果に基づいて16強に進出できるかどうかが決まる。

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