韓国プロ野球の公式球、“質”が安定せず…目に見えない被害を量産

1軍の選手たちが“実験台”になっている。

問題は、実験による被害を受ける可能性があるという点だ。その被害がシーズン全体に影響を与える決定的な試合の勝敗に及ぶと考えると、恐ろしすぎる。スポーツの最も重要な価値基準である“公正な競争”にも反する。

韓国野球委員会(KBO)が断行した公式球の反発係数の調整が、目に見えない被害を量産している。開幕から2カ月が過ぎたが、反発係数を下方修正した公式球は、未だに一定の質を担保できない。

5月24日にKBOが発表した公式球2次検査の結果でも、反発係数の基準値を超過したボールが発見された。

KBO側は「5月7日の1次検査で3ダース中2ダースが反発係数の基準値を超えることが判明し、5月13日に2次検査を実施した。その結果、5ダースすべてが平均反発係数(0.4189)以内に含まれていることを確認した」と明らかにした。

無作為抽出で行った3ダース(36球)のうちの2ダース(24球)が“不良”であったが、6日後に再び5ダース(60球)を検査したところ、合格基準を満たしていたというわけだ。なんとも疑惑の残る検査結果だ。

KBO側はそんな疑惑を払拭するために「日本に3ダース送り、日本プロ野球の公式球の検査機関(日本車両検査協会)で検証した結果、平均反発係数0.4132で合格基準内と聞いた」と付け加えた。そして「質が全体的に安定している」と主張した。

公式球の製造業者が6日間で、完全に均質なボールを作れるようになったと考えることもできるだろう。1次検査で不合格となった製造業者が独自の検証を通じて、基準値に合った公式球を作り、2次検査に臨んだという推測だ。サンプリングの過程が明らかにされていない以上、その可能性もゼロではない。

公式球の製造会社であるスカイライン側に、制裁金3000万ウォン(約300万円)を科したとはいえ、今後は同じことが繰り返されないという保証はない。

いずれにしても計8ダース中2ダースが不良だったことで、すでに公式球の質に対する信頼は崩れた状態だ。本紙『スポーツソウル』が以前指摘したように、いわゆる“ゴムボール”が未だに流通していることが、今回の検査を通じて明らかになった。

当時KBO関係者は、「公式検査とは別にメーカー側も継続的に自己検査を行っている。手作業で製作するため、均質性を確保することが簡単ではないようだ。それでも最善を尽くして一定の質を持つ製品を生産するために努力中」と強調した。問題視されたボールは、ボールの保管状態や試合中の風、湿度などの影響を受けた可能性もあるという主張までした。

しかし単純に、検査回数だけ増やせば解決できる問題ではない。

最近のKBOリーグは、選手の入れ替えが激しい。経験が少ない選手を果敢に起用する球団も増え、競技力はジェットコースターのようだ。納得できない試合の敗北が連敗につながったり、思いもよらない選手のサヨナラホームランが破竹の連勝を作ったりしている。

その瞬間の一つひとつは、連勝連敗の出発点と見るだけだが、シーズン全体を通して見れば、ポストシーズンに進出できるか否かの分水嶺となる試合として残ることもある。

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公式球の統一や反発係数の調整は、試合に直接的な影響を与える。“打高投低”によってKBOリーグが嘲笑の対象になったとされるが、試合結果に影響を与える規定の改正は、フューチャーズリーグ(2軍リーグ)で徹底的に検証した後、1軍リーグに導入しなければならない。

性急で無謀な事務局の判断が、ある球団にとってはシーズンを丸ごとを駄目にする致命的な結果を生む可能性もあるということを忘れてはならない。

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