2022年北京冬季五輪出場を確定していた女子ショートトラック韓国代表シム・ソクヒ(24)の大会出場が絶望的となった。
韓国氷上競技連盟は12月21日午後、ソウル松坡(ソンパ)区のオリンピック公園にある連盟会議室でスポーツ公正委員会(賞罰委員会)を開き、シム・ソクヒに対し「スケート選手としての品位を著しく損ねた」として、資格停止2か月の懲戒処分を決定した。
国家代表選抜及び運営規定第15条の誠実義務及び品位維持規定による決定だ。
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シム・ソクヒは最近、とある韓国メディアを通じて、2018年平昌冬季五輪当時に代表チームのコーチと交わしたとされるメール内で、ほかのコーチやチームメイトを露骨に非難し、八百長を疑わせるような内容が含まれたやり取りをしていたことが公開されていた。
さらに、公正委はチョ・ハンミンコーチに対して資格停止6カ月の重い懲戒処分を下した。キム・ソンチョル委員長は、「国家代表コーチとしてシム・ソクヒの過ちを正し、たしなめることをしなければならなかったにもかかわらず、むしろそそのかすようなことをした」と、重い懲戒の理由を説明した。
今回の懲戒により、シム・ソクヒは来年2月4日に開幕する北京五輪に出場できない危機に直面した。シム・ソクヒの資格停止期間が同日から来年2月20日まで続くためだ。
ただ、キム・ソンチョル委員長は「スポーツ公正委はシム・ソクヒがオリンピックに行くかどうかを決定する場ではない。今後、連盟の競技力向上委員会が決定することだ」と念を押した。
資格停止の懲戒を受けたシム・ソクヒだが、大韓体育会のスポーツ公正委員会に再審を請求するか、裁判所に効力停止の仮処分申請をするなど、オリンピック出場の手段は残されている。
これに先立ち、シム・ソクヒが平昌五輪当時にチョ・ハンミンコーチと交わした不適切なメッセージの内容について、連盟調査委員会は1カ月間調査を実施。その結果、平昌冬季五輪での故意の衝突疑惑、選手ロッカールームでの盗聴疑惑、2016年ISUワールドカップ及び2017年札幌冬季アジア大会での八百長疑惑に関して、明白な証拠は見つからなかったと発表している。
今回、公正委はシム・ソクヒの当時のチームメイトに対する悪口と卑下行為を本人が事実として認め、メディアを通じて公論化されたとし、これらの行為は国家代表としての深刻な品位違反だと懲戒事由を説明した。
同日、公正委出席のため初めて公の場に姿を現したシム・ソクヒは、「事実の通り誠実に臨む」という言葉だけを伝え、「謝罪の意向はあるのか」という質問には答えなかった。その後、1時間半あまりの公正委に出席したシム・ソクヒは、メディアの質問に応じず、その場を去ってしまった。
国際スケート連盟(ISU)によるショートトラック代表の最終エントリーは来年1月24日までとなっており、大韓体育会は前日の23日までに連盟からエントリーを受け取ったあと、24日に提出する予定だ。
北京五輪代表選抜戦女子部では、シム・ソクヒが1位、チェ・ミンジョンが2位、イ・ユビンが3位、キム・アランが4位、キム・ジユが5位となり、出場権を確保している。このうち、1~3位は個人戦(500m、1000m、1500m)と3000mリレーに出場。1~2位は混合戦までの計5種目に出場できる。
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