パウロ・ベント監督率いるサッカー韓国代表が、3月の親善試合を2連勝で終えた。
戦力が劣るとされるボリビアを1-0で、FIFAランキング12位で韓国より一段上と評価されるコロンビアを2-1で下し、ベント・コリアは1月のアジアカップ8強脱落の重い雰囲気を払拭した。
しかし一部からは、親善試合らしくない“総力戦”を繰り広げたのではないかという指摘も出ている。
アジアカップ後、世代交代が避けられないのが韓国サッカーの現実であるだけに、戦術のテストと若手選手の起用を同時に図ることもできたのではないかという意見だ。
ベント・コリアの現状を踏まえると、総力戦で臨むしかないことは理解できる。しかしカタールW杯が3年6カ月後に開催されるという点と、各国のAマッチのトレンドを見ると、勝利に全力を注いだ韓国コーチングスタッフの構想には、疑問符がつくことも否めない。
ベント監督はアジアカップの不振で、信頼を大きく失った状態だ。彼は昨年9月に代表監督に就任し、アジアカップ直前のサウジアラビア戦まで3勝4分、無敗を記録した。当時もベストメンバー中心の保守的な選手起用を見せたが、親善試合の結果で批判的な意見を退けた。
しかし最初の“本番”であったアジアカップでは、カタールとの準々決勝で敗れ、何も証明することができなかった。このような背景を考慮すると、ベント監督はアジアカップ以来となる3月のAマッチ2連戦で、何よりも勝利に力を注いだものと思われる。
キ・ソンヨンとク・ジャチョルという中盤のベテランが代表引退したため、ベント監督としても従来の選手たちを起用しながら、ツートップやスリーバックへの切り替えを選択した。選手起用ではなく、戦術的な操作で変化を加えたというわけだ。
もし今回の2連戦の結果が良くなかった場合、アジアカップの不振と相まって、ベント監督の立場は大きく揺れる可能性があった。ひとまず火消しに走ったと見なければならない。
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韓国は2014年ブラジルW杯以降、ホームで負けたのは2回だけだ。ベント監督就任後は、ホームで3勝2分としている。多くの人々が観客席やテレビ中継で見守るときは、確実な勝利をもぎとることで、自分への視線を変えてきた。今後、カタールW杯に向けた歩みに自信を得ることもできた。
FIFAは各国が親善試合を行う際、選手交代を6人に制限している。そこには理由がある。