歴史上最悪のオリンピックとなってしまうのだろうか。
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東京五輪が開幕前からすでに騒がしい。国際オリンピック委員会(IOC)が偏った決定を下したことで、すでに新型コロナウイルス感染症の防疫に失敗したという憂慮を生み出している。
大韓体育会はIOCの要請を受け、去る7月17日に東京五輪選手村の韓国選手団居住層に掲示した「李舜臣(イ・スンシン)将軍」の垂れ幕を撤去した。
体育会は東京五輪開幕を前に、「臣にはまだ5千万国民の応援と支持が残っております」と韓国語で書かれた垂れ幕を制作し、選手村に掲示した。これは壬辰倭乱(文禄・慶長の役)当時、李舜臣将軍が宣祖(ソンジョ)に上げた文書にある「臣にはまだ12隻の船が残っており、私はまだ死んでいません」という言葉に着眼したアイデアだった。
ところが突然、日本メディアがこの垂れ幕を「政治的がある」と問題視したことで議論が生まれた。日本国内では、一部の極右団体が選手村の前で日本帝国主義の象徴である旭日旗を振ったりもしていた。
結局、体育会は17日に報道資料を発表し、「IOC関係者が前日に韓国選手団事務室を訪れ、垂れ幕の撤去を要請し、書簡でも“垂れ幕に引用された文章は戦闘に参加する将軍を連想しかねないため、IOC憲章50条違反で撤去しなければならない”と再度要求した」と明らかにした。
IOC五輪憲章50条には、競技場などいかなる場所であれ、オリンピック期間は政治的、宗教的、人種的宣伝を許可しないと明示している。
韓国としては当惑せざるを得ない要求だ。当初、IOCは東京五輪・パラリンピック組織委員会が独島(竹島の韓国呼称)を日本領土と表記したことに何の反応も示さなかった。日本の主張だけをそのまま受け入れるなど、偏ったスタンスを維持してきた。
しかし、李舜臣将軍の垂れ幕については即座に、敏感に反応した。李舜臣将軍の垂れ幕を政治的宣伝と見るには無理がある。過去の歴史に過ぎず、現在の価値を決定する議論の種ではないからだ。IOCが一方的に日本の側に立ったという印象はぬぐい切れない。
体育会は垂れ幕の文言と関連した自分たちの立場を積極的にIOCに説明し、競技場内における旭日旗の応援に強く異議を申し立てたことを発表した。垂れ幕を下ろす代わりに日本でよく使われる旭日旗の応援を禁止する案を引き出したわけだが、いずれにせよ今大会は無観客で行われるため、旭日旗の応援禁止の約束の実効性は感じにくい。
弱り目に祟り目か、開幕前から日本に入国している関係者内で新型コロナ陽性者も発生している。韓国ではIOCのユ・スンミン委員が陽性と判定された。ユ・スンミン委員は17日、SNSを通じて陽性の事実を明かした。
ユ・スンミン委員は大会組織委員会が定めた新型コロナのプロトコルを履行した状態だった。2度のワクチン接種を完了し、出国前の13日、15日に韓国国内で行った検査でも、いずれも陰性の判定を受けていた。
さらには、現地で組織委が防疫をまともに遂行していないという指摘が相次いで出ている。日本に到着した関係者が自由に外部と接触するなど、新型コロナ感染にさらされている状態だ。
入国する選手団、関係者の不便も深刻な状態だ。特に、男子サッカー韓国代表の場合は入国後、空港を発つまでに4~5時間もかかった。韓国の取材陣も出国が迫ってようやく取材承認を受けるなど、行政処理もずさんだという指摘も出ている。開幕を目前にして、まともなシステム作りが未だできていない状態だ。
東京が、オリンピック史上最悪の大会になるという可能性を自ら育てている。
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