韓国Kリーグの技術研究グループ(TSG)が、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージに臨む4クラブの決勝トーナメント進出のための“援護射撃”を行う。
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Kリーグを管轄する韓国プロサッカー連盟は6月15日、来る22日から行われるACLグループステージに出場する全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータース、蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)、浦項(ポハン)スティーラース、大邱(テグ)FCの4クラブが、TSGから対戦相手の戦力分析などサポートを受けていることを発表した。
今シーズンのACLは、グループステージ出場チームが既存の32チームから40チームに拡大。Kリーグ勢が戦う東地区は全20チームが4チームずつ5グループに分かれ、ウズベキスタンとタイでそれぞれ集中開催される。
昨季ACL王者の蔚山現代は、BGパトゥム・ユナイテッド(タイ)、ベトテルFC(ベトナム)、上海上港(中国)対カヤFCイロイロ(フィリピン)のプレーオフ勝者と同じグループFに入った。
また、浦項は名古屋グランパス(日本)、ラーチャブリーFC(タイ)、ジョホール・ダルル・タクジム(マレーシア)と同じグループG。全北現代はガンバ大阪(日本)、タンピネス・ローバース(シンガポール)、チェンライ・ユナイテッド(タイ)と同じグループH。大邱FCは川崎フロンターレ(日本)、ユナイテッド・シティ(フィリピン)、北京FC(中国)と同じグループIに所属している。
新型コロナウイルス感染症が流行する以前は、シーズン前半に国内リーグとACLグループステージを同時期に余裕をもって消化することができた。だが、感染拡大以降はスケジュールが変則的となり、一国での集中開催となった。
このため、今シーズンのKリーグは開幕直後から平日、週末と立て続けに試合を編成し、当初4月に予定されていたACLグループステージに備えた。しかし、新型コロナの影響で日程が6~7月に先送りされたことで、Kリーグ勢はACLに備える時間的余裕を不足してしまった。
そこで、TSGの存在がKリーグのACL出場クラブの負担を軽減している。
従来の競技委員会から拡大再編され、昨年に新設されたTSGは、指導者経験のあるパク・テハ氏が技術委員長を務めている。そのほか、P級指導者ライセンスを保有する12人に技術委員が属している。
彼らはKリーグ全試合への現地出張のもと、競技力向上案の研究および提言、ユース発展発案などを提示しているほか、ACL出場クラブの対戦相手の戦力分析支援業務も受け持っている。
ACL出場クラブはシーズン中、海外の対戦相手の分析を随時行うことが困難なだけに、TSGが事前に資料を作成し、クラブに提供している。現在のコロナ禍では特にTSGの役割が重要となった。
今回も、グループ別に対戦相手に対する戦術的特徴、主要な選手紹介などを詳細にまとめた報告書を作成し、ACLに出場する4クラブに提供した。
例えば、蔚山現代と同じグループFのパトゥム・ユナイテッドについては「ビルドアップの状況でセンターバックを活用した前線へのパスを好むが、長身FWジオゴへの依存度が高い」と分析。
全北現代と同じグループHのガンバ大阪に所属する宇佐美貴史(29)については、「主に左ウィングでプレーするが、中央とサイドどちらでもプレーできる。試合中に攻撃が上手くいかない場合、ボールを受けるために積極的に動く」と具体的な分析内容を記した。
ACLグループステージを控えるKリーグ勢が、TSGからの報告書をどのように活かすかも注目ポイントとなりそうだ。
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