米スポーツ用品大手のナイキが、2020年にネイマール(29、パリ・サンジェルマンFC)とのスポンサー契約を中断した背景には、性的暴行の疑惑があったと米メディア「ウォールストリートジャーナル」(WSJ)が報じ、韓国でも波紋を呼んでいる。
ナイキは2020年8月、現在のブラジルを象徴するスタープレイヤーのネイマールと15年間結んできたスポンサー契約を、8年も残っている状況で早期終了していた。契約を終了した理由を明らかにされていなかった。
WSJによるとナイキの元社員や現社員などを取材した結果、ネイマールは2016年6月1日にナイキが主催するイベントに参加するため米ニューヨークのホテルに滞在した際、ナイキの女性社員に関係を強要したという。
被害者は周辺に、「当時、自分が抵抗すると、ネイマールが部屋から出ないように食い止め、廊下で追いかけられた」と供述したそうだ。被害者はホテルの職員の要請を受け、酒に酔ったネイマールをホテルの部屋に連れて行った際に被害を受けたという。
被害女性は職場の同僚など友人にこのような事実を打ち明け、2018年には会社に正式に報告することとなった。ナイキは外部の法務法人を雇用し、2019年に調査を開始したと同時にネイマールを活用したマーケティングも中止した。
調査から正式報告までのタイムラグについてナイキ側は、「被害女性が最初は秘密を守ることを望んだ」とし、「雇用主として被雇用者のプライバシーを尊重する責任があるため、同意なしに捜査機関や第三者に情報を提供することはできなかった」と説明している。
しかしこの調査にネイマール本人は協力的ではなかったという。調査過程でネイマールの代理人たちが被害女性の供述に異議を申し立てるなどのことはあったが、ネイマール自身は調査官に直接会っていないと関係者たちは説明していたそうだ。
今回の問題についてネイマールのスポークスマンはWSJに対して容疑を否定し、ナイキとは営利的な理由で決別したと明らかにした。また「根拠のない攻撃が加えられれば、ネイマールはこれを強く防御する」と付け加えた。
ナイキの調査は特に結論を出せなかった。ナイキの法律顧問ヒラリー・クレーンは、ナイキの調査にネイマールが協力しなかったため関係を終了したと述べている。
一方のネイマールは、ナイキとの契約終了から2週間後にプーマとスポンサー契約を結んでいた。プーマ側は、該当事案と関連して立場を明らかにすることを拒否したとWSJは伝えている。
ネイマールは2019年6月にも、フランス・パリのとあるホテルで女性に性的暴行をした容疑で訴えられたことがある。当時ブラジル検察庁は、証拠が不十分だとして起訴を撤回した。
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