韓国のスピードスケート・ショートトラックで、選手が相手コーチを挑発するという驚くべき事件が発生した。2022年北京五輪に向けての代表選抜戦を控えての出来事だったため、余波は大きいものになると予想されている。
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ソウル市役所所属のパク・チウォンは、4月16日に木洞(モクドン)室内スケート場で行われたショートトラック総合選手権大会男子一般部1000メートル準決勝の試合途中、転倒した大田広域市所属のパク・インウクとぶつかって転倒した。
急なアクシデントにキレたパク・チウォンは直後、相手コーチらに向かって喧嘩を吹っかけ、コーチらもパク・チウォンに向かって大声を出すなどの騒ぎが発生した。
パク・インウクの指導者であるペク・グクグン氏はスポーツソウル本紙との電話インタビューで、「(パク・インウクが)コーチ席に向かって、『試合は楽しいですね』と皮肉っていた。ショートトラックで選手が相手チームのコーチに対して見せる態度ではなかったため叱った」と釈明している。
ペクコーチはレフェリーから警告(イエローカード)を受けたが、興奮した末に選手待機席に行って悪態をついたという。その後、ペクコーチは退場(レッドカード)を言い渡されて退場することに。
ソウル市役所のユン・ジェミョン監督は、「ペクコーチがパク・チウォンに悪口を言っていたので止めただけだ。パク・チウォンは他チームの指導者に悪口を言ってはいない」と事実ではないとしだが、警告措置を受けた。
しかし、問題を起こした当事者であるパク・チウォンは、最も弱い警告である口頭警告にとどまったそうだ。その後、パク・チウォンはコーチたちに謝罪している。
高陽市(コヤンシ)のキム・ミンジョンコーチもパク・チウォンと言い争うなかで同じく警告を受けた。キムコーチは、「レース途中、故意のファウルではなかったにもかかわらず、パク・チウォンが敏感に反応した。私たちに後ろ指を差した」と話した。
この日、試合を裁いていたレフェリーのチェ・ヨング氏は、「試合は反則や談合なしに正常に行われた。ヘッドホンをつけていたので、何の会話が交わされていたのかわからなかった。 追加での懲戒は連盟で決定する事案だ」と述べるにとどまっている。
競技途中の退場、警告など大量の懲戒処分が出されたため、韓国スケート競技連盟の懲戒処分は避けられないようだ。
韓国スケート競技連盟は、問題を起こした指導者と選手たちを厳しく処罰する予定だという。連盟のキム・ホンシク首席副会長は、「懲戒事案であるだけに規定に従って処理する計画だ」としている。スケート競技連盟の規定には、大会で警告を受けた選手と役員は公正委員会で追加懲戒を受けるよう定められている。
ショートトラック競技は激しいフィジカルコンタクトが存在する競技だ。そのため、選手が直接抗議できないようになっており、この規定に背くと大会成績が没収されることになっている。
このニュースを聞いたショートトラックの指導者らは集団行動に出ているとのことだ。指導者らは、「選手がコーチ席を睨みながら他チームの指導者を皮肉り、試合が完全に終わったあともコーチ席の前を通り過ぎてコーチを指差して挑発する行為はショートトラックであってはならない」とし、「挑発されたコーチはレッドカードを受け、問題を起こした選手が口頭での警告にとどまったのは公平でない」と主張している。
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