名古屋とACL同組の浦項が6戦未勝利と苦戦…原因は「不安定な守備」と「主力移籍の穴」

2021年04月09日 サッカー #Kリーグ

韓国Kリーグ1(1部)の浦項(ポハン)スティーラースが危機に陥っている。

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浦項は4月6日、ホームの浦項スティールヤードで行われたKリーグ1第8節の全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータース戦で1-3の完敗を喫した。

開幕2連勝も以降の6試合で未勝利(2分4敗)の浦項は、勝ち点8で12チーム中9位に沈んでいる。

不安定なDFライン

原因は不安定な守備だ。シーズン開幕前には2002年から在籍していたベテランDFキム・グァンソク(38)が仁川(インチョン)ユナイテッドに去り、主力センターバックのDFハ・チャンレ(26)も開幕2試合を戦った後、国軍体育部隊傘下でKリーグ2(2部)所属の金泉尚武(キムチョン・サンム)に入隊した。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)ハ・チャンレ

現在はDFチョン・ミングァン(28)とDFクォン・ワンギュ(29)がセンターバックを務めているが、不安定さを露呈している。

浦項は第8節までで失点数が「12」と、1部でワースト2位タイの数字を記録している。クリーンシートは第7節の大邱(テグ)FC戦(0-0で引き分け)が唯一だ。

かといって、適切な代替者がいるわけでもない。

K3リーグ(3部)の金海(キメ)市庁サッカー団からレンタルバックで復帰したDFイ・グァンジュン(25)は少しずつ出場機会を得ているが、1部を戦うのは今シーズンが初めて。また、アジアクォーターを利用して獲得したオーストラリア人DFアレックス・グラント(27)は開幕戦で負傷し、4月中旬まで戻ってこない。

つまり、既存の選手だけで持ちこたえなければならないという意味だ。加えて、サイドバックのDFシン・グァンフン(34)は全北現代戦で2枚のイエローカードで退場処分となり、次節のFCソウル戦に出場できない。

まだ適応不足な新外国人選手

昨シーズンまで主力だったロシア人FWスタニスラフ・イリュチェンコ(30、全北現代)やセルビア人MFアレキサンダー・パロチェビッチ(27)の代替者として迎え入れたブルガリア人MFボリス・タシチー(27)やクロアチア人MFマリオ・クヴェシッチ(29)は、まだクラブの期待を十分に満たしていない様子だ。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)タシチー(左)とクヴェシッチ

タシチーはコンディションがまだ60%程度だ。新型コロナウイルス感染症の影響で約3カ月間の空白があったためトレーニングと休息を並行しており、実戦を通じたコンディションの引き上げに遅れが出ている。

タシチーはこれまで5試合に出場して337分をプレー。5本のシュートを放ったが、枠内は全北現代戦で記録したヘディングシュート1本のみだ。

クヴェシッチは運動量こそ多いものの、中盤で攻守をつなぐ役割を果たせずにいる。

これまで5試合に出場して328分プレーし、7本のシュートを記録したが枠内はない。ペナルティエリア内でのシュートもわずか1本しかない。パス成功率は83.6%と比較的高いものの、そのうちキーパスは3回だけだ。

ゴールどころかアシストもないことから、まだチームに溶け込めていないことがわかる。

監督は現状を理解しているが…

こうしたチーム事情をキム・ギドン監督もよく理解している。キム監督は「チームのバランスと組織力が落ちている。得点よりもバランスと組織力を強調している」と語った。

キム・ギドン監督(右)

とはいえ、4月はすでに消化した2試合含めリーグ戦を6試合戦わなければならない。選手層の薄い浦項としては負担にならざるを得ないだろう。時間が必要であるにもかかわらず、余裕がない。

浦項はアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)で名古屋グランパスと同じグループGに属しており、6~7月にはグループステージの集中開催も予定されている。昨シーズンにリーグ最多得点で3位フィニッシュした勢いに陰りが見える浦項だが、過密日程の最中にこのピンチを脱することができるのだろうか。

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