パウロ・ベント監督はプランBは持ち合わせているのだろうか。
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3月の国際Aマッチを終えた韓国代表の次の日程は、来る6月の2022年カタールW杯アジア2次予選だ。
韓国、北朝鮮、トルクメニスタン、レバノン、スリランカが属するグループHの残り試合は、韓国で集中開催されることが決まっている。ただ、韓国には2週間で4試合を戦うタイトなスケジュールが待っている。
韓国は6月3日のトルクメニスタン戦を皮切りに、7日にスリランカ戦、11日に北朝鮮戦、15日にレバノン戦を控える。試合感覚は3~4日しか与えられていない。
初戦がグループH最弱国とされるスリランカなのは悪い日程ではないが、韓国はここまでの2次予選でそれほど圧倒的なパフォーマンスを見せていない。順位表を見ても1位はトルクメニスタン(勝ち点9)で、韓国は北朝鮮、レバノンと並び勝ち点8で2位につけている。
残り試合では、主力選手の体力温存とコンディション管理が何よりも重要だ。プランA同様にプランBも重要だという意味である。
しかし、これまでの韓国の戦いぶりを見ると、プランBを構築していないと見て良い。
ベント監督は選手起用において保守的だ。FWソン・フンミン(28、トッテナム)、FWファン・ウィジョ(28、ボルドー)、MFイ・ジェソン(28、ホルシュタイン・キール)らが事実上のレギュラーである反面、MFイ・ガンイン(20、バレンシア)やMFペク・スンホ(24、ダルムシュタット)といった若手や新戦力を実戦に出場させるまではかなりの時間を要する。
もちろん、6月は欧州各国リーグのシーズンも終わる時期であり、韓国国内で予選が行われるだけに変数は多くないはずだ。それでも、プランBなしに4試合すべて戦うことに負担があるのは事実だ。
加えて、ベント監督は就任後初の国際大会となった2019年のアジアカップで準々決勝敗退の苦杯をなめたことがある。
結果だけでなく、内容も満足できなかった。当時は柔軟でない戦術と選手起用が敗因に挙げられた。
もちろん、同年12月のE-1サッカー選手権では優勝も果たした。ただ、日中韓いずれも100%の戦力を稼働しなかったので、大きな意味を付与することは難しい。
果たして、来るワールドカップ予選でベント監督は新たな活用法を見せてくれるのだろうか。“ベント・コリア”のプランBに関心が集まる理由はそこにある。
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