アメリカから故郷に帰還したチュ・シンス(SSGランダース、39)が、オープン戦2試合目にして早くも母国復帰後初安打を放った。20年前、自宅のように行き来していたスタジアムで韓国プロ野球制覇に向けた狼煙を上げたようだ。
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チュ・シンスは3月22日、釜山(プサン)にある社稷(サジク)球場で行われたロッテ・ジャイアンツとのオープン戦に2番指名打者として出場し、2打数1安打1四球1得点を記録した。
韓国復帰戦だった前日のオープン戦では、NCダイノスの投手ウェス・パーソンズとソン・ミョンギの球威に苦戦し、3打数無安打と沈黙したが、1日である程度の実践感覚を取り戻した様子だった。
米メジャーリーグよりも左右幅が広く、上下幅は狭い韓国野球のストライクゾーンに早くも適応し、打撃のタイミングもアジャストできているようだ。
チュ・シンスはこの試合、好調な滑り出しを見せた。1回表にはロッテ・ジャイアンツの先発投手、ノ・ギョンウンを相手に四球を選んで出塁
ボールカウント2-2以後、ややストライクゾーンに混乱している様子も見せたが、出塁後にはチェ・ジョンの二塁打で三塁まで進み、ジェイミー・ロマックの犠牲フライによりホームへと生還。韓国プロ野球復帰後初出塁、初得点に成功した。
3回表の2打席目では、ノ・ギョンウンの外側に流れる変化球に対応できず、空振り三振を喫した。しかし、5回表に迎えた3打席目、キム・ゴングクに対して中堅前安打を放ち、復帰後初安打を記録している。
以前まではやや振り遅れていたタイミングを見事に修正し、これからの安打製造を予感させてくれた。この試合2度目の出塁に成功したチュ・シンスは、後続打者のコ・ミョンジュンが併殺打を打ち、惜しくも二塁でフォースアウトとなった。
とはいえオープン戦の成績はそれほど意味を持たない。チュ・シンスのメジャー時代16年間を振り返っても、彼は典型的なスロースターターだった。
16年間でチュ・シンスが残したオープン戦の通算成績は、224試合、打率2割6分4厘、OPS(出塁率+長打率)3.764に過ぎない。
対決する相手投手もオープン戦ではコンディションが上がりきっていないにもかかわらず、メジャー通算成績の打率2割7分5厘、OPS0.824を下回っている。
クリーブランド・インディアンス在籍時(2006~2012年)、メジャーリーグの舞台においてアジア人選手初の「打率3割、20本塁打、20盗塁」を達成した2009年、2010年には、OPS1.000以上を記録していたチュ・シンス。
しかし、その後メジャーに定着した以降は、緩やかにペースを上げている。個人通算1シーズン最多本塁打(24本塁打)を達成した2019年オープン戦の成績も、16試合で打率2割1分1厘、OPS0.610にとどまっている。
とはいえ、10日後に迫った現段階でチュ・シンスに初安打が産まれたことは、SSGランダースにとっては好材料だろう。チュ・シンスとともに上位打線を構成するチェ・ジョンとロマックも好調な姿を見せており、新球団の船出には期待がかかっている。
そして一方、チュ・シンスと同じ1982年生まれで、韓国野球界黄金世代を代表するイ・デホ(ロッテジャイアンツ、39)も同日、適時打を放っている。オープン戦に4番指名打者として出場したイ・デホは、3回裏に相手ショートの右側を抜ける鋭い内野安打を放ち、打点を挙げた。
この日オープン戦を戦った両雄は、4月3日の開幕戦で早くも相対する。韓国野球界の顔である2人の打者が一斉にエンジンをかけ、いつになく熱い開幕戦を予感させた。
チュ・シンスとイ・デホは5年前の2016年、メジャーリーグの舞台で対戦している。当時、テキサス・レンジャーズに所属していたチュ・シンスが出塁し、シアトル・マリナーズの一塁を守っていたイ・デホと並んでいる様子がカメラに捉えられたことは、記憶に新しいだろう。
韓国人メジャーリーガーとして遠く離れたアメリカの地で互いに切磋琢磨し、充分な実績を積んできたチュ・シンスとイ・デホ。
今シーズンの開幕戦は、レジェンド2人のバットに韓国の野球ファンが集中することは想像に難くないはずだ。
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