KLPGAツアーの2021シーズン開幕が約2カ月後に迫っているなか、ゴルフファンの注目を集める多くのルーキーがデビュー戦を控えている。そしてイ・セヒもその1人だ。
「ゴルフファンにどう呼んでもらいたいか」という質問にためらうことなく「だるま」と即答したイ・セヒ(24、MC square)。
彼女は2020シーズンドリームツアー(2部)で賞金ランキング4位となったが、ランキング上位5人のうち優勝無しで累計賞金7千万ウォン(約700万円)を突破した唯一の選手だったため、より期待を集めている。
幼少期、フロリダ大学の交換教授となった父についてアメリカに渡ったイ・セヒは、現地で偶然ゴルフと接したと明らかにし、「父が友人からゴルフクラブをプレゼントされたが、ゴルフをしない父の代わりにそれを握ってスイングを始めた」と笑いながら話した。
この出来事をきっかけにゴルフに興味を持ったようになったイ・セヒは、プロ選手の夢を育み、2016年に行われた「KLPGA2016第1次準会員選抜戦」で、KLPGAツアー準会員として入会することに成功した。
入会するもツアーでこれといった成績を挙げられなかったイ・セヒは、翌年に行われた「KLPGA 2017グランド・サムデイン・ジャンプツアー第5戦」(3部)で準優勝を記録する。
そしてすぐ次の大会の第6戦では優勝し、正会員への昇格を果たすこととなった。イ・セヒはドリームツアーに移ったあと、優勝はなかったものの、好成績を収めながら実力を磨き続けた。
2017年から2020年まで約4年間、ドリームツアーで活動し、紆余曲折も経験したが、2019年が最もつらかったと話すイ・セヒ。
最終戦のキング・オブ・キングス戦で優勝レースを走っていた彼女だったが、スコアカードを書き間違えるというミスで失格となってしまった。
このため、ドリームツアー上位20位までに与えられるレギュラーツアー入りを目前で逃し、「2020KLPGAレギュラーツアーシード順位戦」でも65位に落ちてしまった。事実上のレギュラーツアーシード確保に失敗した当時は、ゴルフを辞めようとまで思ったという。
しかし、イ・セヒは“ラストチャンス”の気持ちで2020年シーズンに臨み、「そばで応援してくださった多くの方々のおかげで、後悔なく気楽にゴルフに集中することができた」とし、「今まで、テコンドー世界選手権金メダリスト出身である父の経験とアドバイスのおかげで、大変な時期をうまく乗り切ることができた」という成熟した言葉を付け加えた。
海南(ヘナム)でのキャンプで誰よりも多くの汗を流したイ・セヒは、「レギュラーツアーの何度の高いコースと厳しい日程に備えるため、7週間という長い期間にわたりフィジカルトレーニングとグリーン周辺での技術向上に取り組んだ」と明らかにし、「今シーズンの目標は当然優勝だ。常に努力し、毎年発展していく選手になれるように絶えず努力するので、ゴルフファンの皆さんにも大きな目で見てもらいたい」という覚悟と願いを伝えた。
厳しい試練にも屈せず、だるまのように何度も立ち上がり、レギュラーツアー入りチケットを手にしたイ・セヒが、2021KLPGAツアーでゴルフファンの関心と期待に支えられて好成績を叩き出せるか要注目だ。
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