韓国Kリーグ1（1部）の全北現代（チョンブク・ヒョンデ）モータースが、U-23韓国代表MFペク・スンホ（23、ダルムシュタット）獲得へ本格的に乗り出している。
全北現代は最近、ペク・スンホ獲得打診と関連して彼の身分を照会した。というのも、Kリーグには“5年ルール”という独自の規定があるからだ。
Kリーグを主管する韓国プロサッカー連盟は、有望な若手の無分別な海外移籍を防ぐための手段として、アマチュア選手がプロ新人ドラフト申請書を提出せずに海外に進出した場合、国内復帰時の年俸を最大3600万ウォン（日本円＝約360万円）に制限する規定を固守している。ただ、このルールにペク・スンホが該当しないことがわかった。
全北現代が韓国プロサッカー連盟、韓国サッカー協会（KFA）を通じてスペインサッカー協会に確認した結果、ペク・スンホは2016年1月にバルセロナとプロ契約を結んでいたことがわかった。当時から5年が経過したため、最大のネックとされていた年俸交渉に大きな支障がない見通しだ。
Kリーグの海外移籍選手登録が可能な3月以内に交渉が終われば、ペク・スンホは全北現代のユニホームを着ることができる。
複数のサッカー界関係者によると、ペク・スンホが現在ダルムシュタットで受け取る年俸は、全北現代でも下の部類に属するという。
全北現代はKリーグでも屈指の資金力を誇るチームだ。ある関係者は「ある程度年俸を合わせられれば、個人交渉の面で大きな問題はないだろう。ペク・スンホ側も全北現代行きを肯定的に見ている」と明かす。
カギとなる移籍金だが、全北現代とダルムシュタット間に大きな隔たりはないというのが関係者の見解だ。移籍専門サイト『トランスファーマルクト』によると、現在のペク・スンホの市場価値は70万ユーロ（約8960万円）と評価されている。このため、おおよそ10億ウォン（約1億円）程度でチーム間合意ができる状況だ。
全北現代の事情に詳しいサッカー関係者は、「移籍金の差が大きくない。適切なラインで移籍合意がなされるものと期待している」と述べた。
ペク・スンホが合流すれば、全北現代は多彩なオプションに手を出せるようになる。
ペク・スンホは2列目や中央、サイドなどあらゆるポジションをこなせる選手だ。それに1997年生まれとまだ若く、将来性もスター性もある。インスタグラムのフォロワー数は約14万人と、全北現代のクラブ公式アカウント（約5万人）の約3倍程度だ。
バルセロナ下部組織で育った幼少期から将来を嘱望され、世代別代表を経て多くの人気を得ている。実力はもちろん、興行面でも役立つものとみられている。
また、ペク・スンホ自身にとっても良い選択だというのがサッカー界の共通意見だ。ペク・スンホは最近、ダルムシュタットの主力争いに苦戦している。欧州での厳しい挑戦にピリオドを打つことへの痛みはあるが、Kリーグ王者の全北現代に加入するのであれば、本人にとっても新たな転機となるだろう。
今夏に予定されている東京五輪でU-23韓国代表メンバーに選抜されるためにも、ペク・スンホにとってKリーグ移籍はあらゆる面でプラスになるかもしれない。
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