ボカユース出身FWから豪州代表経験者までズラリ、韓国Kリーグにひしめく長身FWたち

長身FWが“電柱”として活躍できる時代はとうに過ぎ去った。

現代サッカーでは、最前線のアタッカーも積極的なプレスと連携プレーが必須項目と言える。強靭なフィジカルと足元の技術は標準装備のうえ、チームメイトの活かし方も身に付けなければならない。

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2021シーズン開幕戦2月27日に控えたKリーグの得点源として期待されている大型FWたちの移籍事情を見てみよう。

フィジカル+アルファを備えた新戦力FW

2020シーズン、チーム全体で27試合24ゴールにとどまり、深刻な得点不足に陥っていた城南(ソンナム)FCは、新アタッカーの補強に注力し、2メートル3センチのセルビア人長身FWミュリッチをレンタルで獲得した。

ミュリッチはフィジカルと空中戦に優れるだけでなく、セットプレイの状況で直接フリーキックも任せられるということで、城南FCが獲得にいたったという。

(左から)城南FCのミュリッチ、済州のザワダ、蔚山のヒンテルゼーア、安山のサンティアゴ

そして城南FCと開幕戦で激突する済州(チェジュ)ユナイテッドが獲得したFWオスカー・ザワダも192cmの長身だ。ザワダは、17歳以下から21歳以下までポーランド年齢別代表チームに選ばれてきた有望株だ。連携プレーに長けており、センターフォワードとしてはもちろん、シャドーストライカーでも起用可能なため、戦術的な幅が広がると評価されている。

昨季Kリーグ1部得点王のジュニオール・ネグランが退団した蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)FCも、身長192cmのFWルーカス・ヒンテルゼーアを新たな得点源として獲得。オーストリア代表としても活躍し、かつてはドイツ・ブンデスリーガ2部でイ・チョンヨンとチームメイトだったこともある選手だ。

Kリーグ開幕に先立ち彼は、数字として結果を残すことはできなかったものの、先日行われたFIFAクラブW杯で蔚山現代のユニホームを着て初登場していた。

(写真提供=蔚山現代FC)ルーカス・ヒンテルゼーア

1部も2部も長身助っ人が沢山

公式発表はされなかったが、浦項(ポハン)スティーラーズに合流するボリス・タシチも192センチの長身FWだ。長身かつ、連携プレーとスピードに優れているという評価を受けている。

浦項スティーラーズから全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースに移籍したFWイリュチェンコは「自分より優れた選手であり、尊敬するFW」と評価したという。

このほかにも193センチのフィジカルを誇るウロシュ・デリッチも新天地へと移籍した。デリッチはKリーグの江原(カンウォン)FC、慶南(キョンナム)FCを経て、今回水原三星(スウォン・サムソン)ブルーウィングスで再ブレイクを狙う。

また、1部での初シーズンを成功裏に終えた光州(クァンジュ)FCのフェリペ(193cm)と水原(スウォン)FCの昇格に貢献したラルス・フェルトワイク(196cm)、そしてKリーグで4シーズン目を迎える大邱(テグ)FCエドガー(190cm)にも、昨シーズン同様の活躍に期待がかかる。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)光州FCのフェリペ(中央)

2部では安山(アンサン)グリナースが、アルゼンチンの名門ボカ・ジュニアーズユースユース出身のサンティアゴ(192cm)を連れてきた。安山グリナースは2019年シーズンのグスタボ・ビンチシンコ(193センチ)、2020シーズンのフェリペ・アウグスト(197センチ)に続き、長身FWとともにプレーすることとなる。

韓国サッカーはこれまで、フィジカルを前面に押し出したゴリゴリサッカーと揶揄されてきたが、昨今は長身に加えて多様なスキルを持ち合わせた助っ人が目立つ。

海を渡ってきた彼らから何を学び、韓国内のサッカーをどのように発展させていくのか、新シーズンに注目したい。

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