サウジ戦で光った吉田麻也の存在感こそが、日本サッカーのチカラになっている理由

日本はこの日、先発ラインアップ全員がヨーロッパのクラブに所属という、華やかさを誇った。 しかし、実際の試合内容は華やかではなかった。老練で組織的な守備の力で勝利したわけだ。 

その中心に吉田の存在があったと言っても過言ではない。 キャプテンマークをつけた彼は"ヘディング・マシーン"という言葉が似合うほど、相手のクロスを次々と遮断し、壁となってパスを跳ね返した。 

2010年、オランダのVVベンロを経て、12年からサウサンプトンでプレー。プレミアリーグ7年目を迎えた吉田の貫禄が、日本サッカーの中心軸として機能しているのだ。 

サウジアラビアはシュートチャンスをつかんでも、付け入る隙がない日本の守備組織力に苦労した。 シュートは15本を記録したが、有効シュートは1本にとどまり、シュート数5本、有効シュート2本だった日本より効率も悪かった。吉田の存在感を取り上げざるを得ないだろう。 

日本はグループリーグで守備に弱点を露にした。初戦ではトルクメニスタンに2ゴールも許し、オマーンとの第2戦では長友のハンドを主審が見逃してくれたおかけで、幸運にも無失点で済んだ。ウズベキスタンとのグループ最終戦では、相手アタッカーとの1対1の勝負でなかなか勝てなかった。 

しかし、優勝候補から次第に遠ざかるような瞬間、無失点の試合が出た。 それも難敵サウジアラビア相手に、だ。吉田の存在感が際立った一戦だった。

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