「芸能ニュースのコメント欄は廃止したのに、なぜスポーツ記事のコメント欄はそのままなのか」
韓国では2019年末のDaum(ダウム)を皮切りに、今年に入ってNAVER(ネイバー)、NATE(ネイト)と、ポータルサイトが芸能ニュースのコメント機能を廃止した。誹謗中傷や虚偽事実の流布など、悪質コメントに苦しむ芸能人が自ら命を絶つ事件が相次いだからだった。
それによって芸能ニュースにつけられるネットユーザーのコメントは見られなくなったが、スポーツ記事のコメント機能は現在も生きている。ポータルサイト側はコメント公開機能を使用し、コメント履歴が残るようにシステムを変更したりしたが、悪質コメントを遮断する根本的な解決になっていないとの指摘も続いている。
最近亡くなった女子プロバレーボール選手の故コ・ユミンは、普段から悪質コメントによって深刻なストレスを訴えていた。実際にSNSを通じて「ファンでもないのに、私に嫌味なアドバイスを送らないでくれ」とし、「私ももう一般人だからじっとしていない」と悪質ネット民に向かって警告メッセージを送ったりもした。
25歳の女子バレー選手がこの世を去る残念な事件が発生したことで、韓国バレーボール連盟(KOVO)は、NAVERなどのポータルサイトにスポーツ記事のコメント機能改善を正式に要請した。
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一部の悪質コメントが選手たちに及ぼす負の影響を考慮した結果だ。
具体的に改善の方向を提示したものではないが、現在のシステムでは悪質コメントを防げないだけに、変化が必要不可欠だという判断といえる。あくまでもKOVOがポータルサイトにコメント機能の廃止を要求したわけではない。
ただ、コメント機能自体の廃止以外に実質的な効果が出る他の方法を見つけることは難しく見える。匿名性が保障されている限り、悪質コメントを完全に遮断することはできない。芸能ニュースのコメント欄が消えた理由でもある。結局のところ、コメント欄の廃止が最も効果的な方法というのがスポーツ関係者たち共通の考えだ。
単純にKOVOだけがコメントに対する問題意識を持っているわけではない。韓国サッカー協会(KFA)もKOVOと同じくコメント機能が廃止されることを願っている。
そもそもサッカーの国家代表は、韓国で最も大きな関心を引く種目だ。ワールドカップやオリンピック、アジアカップなどが行われるたびに関心が高まるのだが、大会で不振な姿を見せた選手は悪質コメントによって“さらし者”になるケースが多い。
韓国サッカー協会の関係者は、「実際に選手たちが悪質コメントに敏感で、ストレスを大きく受けていることも事実だ。悪質な書き込みが競技力に悪影響を及ぼすこともある」とし、「ストレス管理、治療などのフォローアップも重要だが、システム的に原因を防ぐことができるのであれば、コメント欄を廃止することに完全に共感する。さまざまなスポーツ団体が推し進めるのであれば、積極的に参加する意思もある」と述べた。
韓国代表の看板選手であったク・ジャチョルも最近、YouTubeチャンネルを通じて「ファンは代表選手たちがバックパスをしたり、1対1で勝てなかったりすると非難する。しかし実際にはより攻撃的で創造的なプレーをしようとしてミスをしたら、さらに非難が大きくなる。その後、選手たちは萎縮するしかない」と、ネット上での激しい反応が選手たちに否定的な影響を与えていることを強調した。
他の種目も同じような状況に置かれている。
韓国プロバスケットボール連盟(KBL)の場合、帰化選手などに対する人種差別が深刻な問題となっている。悪質コメントが記事化されて拡散、再生産される悪循環が繰り返されていることは、もはや黙認できないという立場だ。韓国女子バスケットボール連盟(WKBL)も、選手たちが悪意コメントによって心理的な被害を受けたという事実を認知している。
韓国野球委員会(KBO)の関係者も、「KOVOで発議し、プロスポーツ協会の次元で正式に問題を提起したり、陳情したりすれば前向きに検討できる」という立場を明かし、共感を示した。
3団体は、いずれも他スポーツ団体やプロスポーツ協会などと共同対応が可能な場合、ポータルサイトのコメント機能改善に向けて動くという立場だ。
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