今季、ウ・ギュミン(サムスン・ライオンズ)を見つめるコーチングスタッフと選手たちの視線には信頼感がみなぎっている。
ウ・ギュミンは今季、サムスン・ライオンズのクローザーとして活躍している。当初、チャン・ピルジュンとダブルクローザーとなる予定だったが、チャン・ピルジュンのコンディションが思ったよりも上がらず、好調のウ・ギュミンがクローザーとしてマウンドに立つこととなった。
そもそもウ・ギュミンは、サムスン・ライオンズにとっては疫病神だった。サムスンはウ・ギュミンをLGツインズに移籍したチャ・ウチャンの空白を埋める投手と指名し、巨額を使って迎え入れたが、いい結果を出せなかった。慢性的な腰の負傷もウ・ギュミンを苦しめた。最終的にはブルペンに転換したが、投資を考えればマイナスだった。サムスンのウ・ギュミン獲得は失敗という指摘が続いた。
しかし今季は違う。ウ・ギュミンはトップクラスのクローザーに変貌した。ここまで12試合に登板し、失点したのはわずか2試合。最近は7試合連続無失点を記録しており、そのうち1回の勝ち星と6回のセーブを収穫した。
セーブ順位は、いつの間にかウォン・ジョンヒョン(NCダイノス、9セーブ)に続く2位まで上昇。LGツインズ時代、3シーズン連続二桁セーブを達成した2006~2008シーズンの実力を発揮している。現時点で最も強力なクローザーといえる。
ただウ・ギュミンは“時間制限付き”のクローザーともいえる。元阪神タイガースのオ・スンファンが戻ってきたら、自然にセットアッパー(クローザーにつなぐ投手)に戻る流れだ。サムスン・ライオンズのホ・サムヨン監督も、オ・スンファンが実践感覚を取り戻したらクローザーとして起用すると述べた。
しかしオ・スンファンが復帰後に登板した3試合中、2試合で失点しており、完全なコンディションに戻るまで時間が必要であることを確認すると、ホ監督は「オ・スンファンがいつクローザーとして戻るかは、今すぐの回答が難しい。時間が必要だ」と述べた。
オ・スンファンも「クローザーとしての投入は、監督とコーチングスタッフが決めること。まだ100%のコンディションでないため、一日も早く引き上げられるように努力する」と明らかにした。
オ・スンファンに十分な時間を与えるというホ監督の決定は、強固なクローザーであるウ・ギュミンがいるから可能だった。いつかはオ・スンファンに役割を引き渡すが、チームが必要とする場所で最善を尽くすという思いで、自分の役割を果たすことに集中している。
ウ・ギュミンの安定した投球が、オ・スンファンを回復させる時間的な余裕を作り出している。
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