韓国Kリーグ1部3連覇中の王者・蔚山(ウルサン)HD FCは、元インドネシア代表指揮官のシン・テヨン監督をシーズン途中就任からわずか65日で解任するという“超強硬手段”に踏み切った。
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チームは現在、ユースディレクターを務めるノ・サンレ氏を監督代行に据え、代表戦明けの来る10月18日にホームで行われるKリーグ1第33節・光州(クァンジュ)FC戦に向けて準備を進めている。
Kリーグの前年度王者として初めてファイナルB(下位グループ)に転落する衝撃に陥った蔚山は、クラブとしても初めてシーズン中に2人の監督を解任する異例の決定を下した。その“衝撃波”は現在もクラブ全体に大きな影響を及ぼしている。
蔚山をめぐっては、シン・テヨン監督と選手との間で深刻な“不和”があったとされている。発端は去る10月1日、アウェイで行われた上海申花(中国)とのAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)の試合後、シン・テヨン監督が“選手の大幅な入れ替え”を示唆する発言をしたことだ。
この言葉をきっかけに選手との関係が決定的に悪化し、多くの選手がキム・グァングク代表取締役に「シン・テヨン監督とは一緒に戦えない」と訴えたという。最終的に、フロントもシン・テヨン監督のリーダーシップに疑問を呈し、秋夕(チュソク/旧盆)の大型連休中に解任を決定。一連の状況の責任を取る形でキム・グァングク代表取締役も辞任した。
シン・テヨン監督は解任発表後、韓国の主要メディアとの電話取材などで「自分は“お飾り監督”だった」と反論。選手側が主張する“練習中の暴言・暴行”については「愛情表現だった」とし、アウェイゲーム期間にゴルフをしたという疑惑についても「事実ではない」と否定した。コーチ陣と選手の間で生じた亀裂をめぐる話が、“真実攻防戦”のように広がっているのだ。
一部の蔚山ファンも、クラブの公式SNSなどを通じてシン・テヨン監督の発言と関連したコメントを残している。監督のリーダーシップを問題視する意見のほか、選手たちが指導方針への不満から“意図的に力を抜いたのではないか”という主張もある。
蔚山の選手たちは最近、シン・テヨン監督の発言がメディアを通じて露出された後、見解表明をめぐって苦心したという。ただ、蔚山の関係者によると「現在、チームが危機を体験しているだけに、選手たちは外部のイシューに気を使うよりは残りの試合に集中することにした」という。
したがって、18日の光州戦で選手たちがどのように“変わった姿勢”を見せるかが焦点となる。仮にプレーや姿勢に明確な変化が見られなければ、ファンから疑念や批判が収まることはないだろう。
現在、蔚山は入れ替え戦圏内の12チーム中10位とまさに崖っぷちの状況だ。暫定指揮を執るノ・サンレ氏は現在、パク・チュヨン・コーチらと綿密にコミュニケーションを取りながら、光州戦への対策を練っている。
なお、蔚山はリーグ再開初戦の光州戦から中2日の21日に、ホームでサンフレッチェ広島とのACLEリーグフェーズ第3節を迎える。ACLEではここまで1勝1分とし、東地区12チーム中4位としている。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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