タンパベイ・レイズ一の高給取りの韓国人メジャーリーガーが、当初の復帰予定から大幅に遅延していることがわかった。
米メディア『タンパベイ・タイムズ』は4月27日(日本時間)、レイズ率いるケビン・キャッシュ監督のコメントを引用して「キム・ハソンの復帰時期は6月中旬から7月中旬になる可能性が高い」と報じた。
負傷再発のリスクを避けるため、復帰時期について余裕を持って決めることにしたという。
実際、キム・ハソンの現時点でのコンディションは良好だ。だからこそ、焦りを持つ状況でもない。
昨季までサンディエゴ・パドレスに在籍し、ダルビッシュ有や松井祐樹ら日本人選手とも同僚だったキム・ハソンは、昨年10月に右肩の手術を受け、以降はリハビリに専念してきた。再検査の結果、大きな異常はなく、すでに内野守備や送球練習も再開している。
球団関係者は「キム・ハソンはとても良くやっている。ただ、遊撃手というポジションの特性上、肩が完璧でなければならない」と、復帰時期が遅延している理由を説明した。
遊撃手は野手の中でも守備範囲が広く、最も多くの打球処理が求められる。だからこそ、肩のコンディションが100%でなければ、チームの守備だけでなく自身の選手生命にもダメージを与えかねない。
キム・ハソンはリハビリと並行して“時間”とも戦っている。
昨冬、キム・ハソンはレイズと2年最大3100万ドル(日本円=約44億円)で契約を結んだ。ただ、1年目終了後にオプトアウトが可能となっている。つまり、今年が“FA市場で大型契約を勝ち取る”ための重要な1年なのだ。
仮に復帰が6月中旬~7月中旬に伸びると、今季の出場試合数は最大でも70~80試合程度にとどまる可能性がある。この数字では、来オフの契約交渉材料として十分な“指標”となり得ない懸念がある。
それでも、キム・ハソンとしては完璧な状態で復帰し、万全のパフォーマンスを披露することで、長期的な観点でより高い評価を得られるはずだ。
キム・ハソンはナ・リーグのゴールドグラブ賞受賞経験者であり、MLB屈指の実力者として認められている。彼に今求められているのは「健康」と「持続性」である。
例えシーズン後半からの復帰となっても、70試合前後で安定した守備と及第点以上の打撃を見せることができれば、FA市場での評価は依然として非常に高いだろう。
“コストパフォーマンス”を重視することで知られるレイズが、球団史上最高額クラスでキム・ハソンと契約したのも、彼の持つ多様な価値を高く買ってのことだ。
少し復帰が遅れたとしても、「健康なキム・ハソン」が戻ってくるのであれば、MLB市場は再び熱く盛り上がるはずだ。
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