バレーボール韓国代表監督の「クラブチームの監督兼任」騒動が物議を醸すなか、韓国バレーボール協会(KVA)が“常識外れの釈明”をした。
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KVAは12月19日、バレーボール韓国代表監督の兼任騒動に関する声明を伝えた。
KVAは「今年の国際事業終了後、女子代表の監督がオフシーズンにクラブチームで活動することを要請し、仮に兼任する場合でも、韓国代表と関連した業務を忠実に遂行することを明確にした」とし、「男女代表の新監督ともに1年目から良い姿で代表の発展可能性を見せ、代表選手からも肯定的な評価を受けている。海外の多くの事例でクラブと代表を兼任することが普遍的であることを勘案し、協会は代表の日程及び運営に被害がない条件で、代表監督のクラブチーム兼任が可能だと判断した」と説明した。
それとともに、「ただ、代表監督のクラブチーム兼任に対する最近の多くの批判を謙虚に受け入れ、韓国バレーボール連盟理事会の意見を尊重し、今後は専任監督としての業務に充実するようにし、兼任を許容しない」と明らかにした。
続けて、「女子代表監督は、現在プエルトリコがシーズン中であることを勘案し、次のシーズンから許容しないだろう」と付け加えた。
これに先立ち、韓国プロバレーVリーグ男子部のKB損害保険スターズは、男子バレー韓国代表を率いるラミレス監督の招へいを試みたが、韓国バレーボール連盟(KOVO)理事会の決議に阻まれ、招へいを取りやめた。
2019年の理事会で決議した代表監督兼任禁止案を18日に再確認し、KB損害保険も選任を諦めた。
KB損害保険によると、KVAは兼任に「問題なし」という意思を明確に示していた。KB損害保険がラミレス監督選任を試みたのも、契約の主体である協会が「OK」サインを出したためだった。
実際、女子バレー韓国代表を率いるフェルナンド・モラレス監督は現在、プエルトリコのクラブチームでも監督を兼任している。
問題は、KVAがKOVOから国家代表支援金5億ウォン(日本円=約5426万円)を受け取っているという事実だ。
この金額には、代表監督専任制のための費用が含まれている。過去に繰り返されたVリーグ監督の代表監督への引き抜きなどを防止するため、連盟が掲げた解決策だ。
ところが、KVAは代表監督を専任させるための支援金を受け取っておきながら、代表監督のVリーグ監督兼任を許可した。この点からも、協会の“常識不足”な部分を見ることができる。
今回の弁解も理解に苦しむ点がある。代表監督の専任制の目的を知っているにもかかわらず、「肯定的な評価」「被害を与えない条件」などの理由を掲げた。
こうしたKVAの釈明に、韓国バレーボール界の関係者は冷ややか反応を示している。プロバレーボールのとある関係者は、「KVAの歩みを見ていると腹が立つ」と怒りをあらわしていた。
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